パリオリンピック卓球女子団体準決勝へ 三者三様「私が取る!」という自覚で目標は金メダル
5分がやっとだった練習は、1時間できるようになった。しかし、練習の入りは通常、試合の1時間半前だが、この日は4、5時間前。治療、アップ、テーピング巻き直しなどに時間はかかる。100%であるはずはない。 「金メダルという目標があるので、痛みだって耐えられます。めげていられない。いろいろサポートしてくれた方にも、結果で恩返しできたらいいなと思います」 早田は前のめりになって、言葉に気持ちを込めた。ただ、悲壮感はない。ケガをしていても、できることがひとつ増えるたび、「やっぱり、卓球って楽しいなと思いました」と明るい声で言う。高潔で不屈、黄金の精神を感じさせる選手だ。 三位一体というより、三者三様が力になっている。 〈金メダル〉 その1点で、強く結びつく。8月8日、彼女たちはメダルをかけて準決勝ドイツ戦に挑む。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki