パリオリンピック卓球女子団体準決勝へ 三者三様「私が取る!」という自覚で目標は金メダル
【マイペースの張本、粘り強い平野】 第2試合のシングルスには、16歳の張本が登場した。センス抜群で、度胸もあるのか、ひとつひとつのプレーに浮き沈みがない。第1ゲームはさすがに硬さもあったが、決して動じず、デュースに持ち込むと、12-10と制した。その後は相手を完全に上回って、3-0で勝った。 「いろんなパターンも準備してきました。(シングルスで早田が銅メダルを勝ち取り)"次は自分の番だ!"って」 そう意気込んでいた張本はマイペースが武器だろう。いつの間にか、相手を自分のリズムに引きずり込む。 張本の第1ゲームで、目立ったのはコートサイドに陣取った早田の姿だった。得点が決まるたび、ケガをしていない右腕を天高く突き上げ、甲高い声で声援を送り、ヒザをバタバタと強く叩いた。そしてタイムアウトで戻ってきた張本に、コーチ顔負けで時間ギリギリまで熱く細かくアドバイスを送っていた。 それを頷きながら聞いていた張本は、拮抗したゲームを勝ち取った。 第3試合に登場した平野は、多彩なサーブが冴えていた。実直で技巧的、粘り強い卓球で、じわじわとリードを広げる。打ち返されても崩しているだけに、ラリーでは有利だった。相手のボールがネットを越えられず、徐々に点差を広げ、3-0と確実に取った。 平野が2本を取り、この団体を牽引していたが、三者三様であることが、日本の強さと言えるだろう。それぞれ"私が取る!"という自覚が強く、その闘志が伝わってくる。 「(ほかのふたりの活躍は)頼もしい、のひと言ですね」 早田はそう言ってから、こう続けた。 「でも、私もダブルスをしっかり取らないと、そのあとのふたり(の試合)にも緊張が出てくるので。役目をしっかり果たさないといけない。自分もできることをやって、ふたりの負担にならないようにしたいですね。この試合にかけているし、『ひなちゃんも頑張っているなら』って、ふたりにわかってもらえるように。3人で頑張っていけたら、と思います」