【タイ】首都で宝石見本市、甲府企業が技術アピール
タイの首都バンコクで9日、宝石・宝飾品の見本市「第70回バンコク宝石・宝飾品フェア2024」が開幕し、甲府市の企業が12社以上出展した。これまでアジアの宝石見本市の主流だった香港からタイに舞台を移し、一層の市場拡大を目指す。 山梨県は国内の宝石・宝飾品の3分の1を生産する一大産地だ。ブースには国内外問わず人気が高いルビー、エメラルドなどのカラーストーンから、職人の手仕事による個性的な宝飾品まで数多くの商品が並んだ。切り子の技術でカットした宝石や皇室に関連する植物のモチーフなど日本独特のデザインも注目を集め、世界各地のバイヤーに甲府産の品質と技術の高さを示した。 同フェアを主催するタイ商務省国際貿易振興局(DITP)と甲府市は、2021年に宝石・宝飾品産業の促進に関する協力覚書を締結している。その一環として、甲府パビリオンには1カ所4,000米ドル(約57万円)の広報ブースが無償で提供された。 甲府パビリオンを主催する日本貿易振興機構(ジェトロ)山梨貿易情報センターの担当者によると、甲府の宝石類が海外バイヤーに訴求する第一の点は巧みな加工技術だ。少ない材料で繊細な加工ができるため、コストを抑えても華やかなデザインが仕上がるという。22年は4社だった参加企業は年々増加し、ジェトロの支援をきっかけに今年は自社で出展する企業もあった。 参加企業の多くがこれまで香港の見本市に出展していたが、東南アジアや中東、アフリカと、よりグローバルな顧客と出会えるタイに商機を求める傾向が強くなった。香港で主要な取引先であった中国市場の失速を受け、リスク分散の目的もあるという。 「第70回バンコク宝石・宝飾品フェア2024」は9日~13日、クイーン・シリキット国際会議場で開催している。商務省のウティクライ常任事務局長によると、同フェアには20を超える国と地域から1,100社以上が出展。2,470のブースが設置され、4万人の来場と1億米ドルの収益を見込んでいる。