「踊る大捜査線」から27年 甲本雅裕「毎回が勝負」だった立ち番時代、“ライバル”森下への熱い思い
「踊る大捜査線」は大きな財産
甲本にとって、「踊る大捜査線」の魅力はどこにあるのか。「本広(克行)監督をはじめとしたみなさんが、細部までこだわっていろんな伏線を張って、そういった細部にまで目を光らせて観てくださる方々がいた。『踊る』は伏線が命ってところがありますよね。今回もたくさんあって、改めて厚みを感じました」と語る。 「みんなで知恵を出し合って、みんなで作ろうという感じがとても強い現場でした。どこの現場でもそういう面はありますけど、どこよりも濃厚で、至るところからそういう声が上がって、『みんなで考えよう!』というのが、本当によくありました。それは、僕にとってものすごい経験で、僕の財産です。違う現場でもいろいろ役立たせていただきました」と感謝を捧げた。
この先、「踊るプロジェクト」がどうなっていくかは「僕にはぜんぜんわからないですし、逆に『どうなるの?』って興味があります」ときっぱり。「僕自身はいつも白紙です。何かが突然はじまったとき、自分がどう“踊れる”のかってことなんです。逆に、何か希望してしまうと、その面白さが半減するような気がするんです。常にドキドキしてますし、『室井慎次』2作は撮り終わってからもドキドキしてます」と笑う。「やっぱり、湾岸署の立ち番警官が僕の出発点なんです。27年経っても緒方を覚えていて、応援してくださる方がいるのはすごく心強いですし、逆にそれを裏切らなきゃいけないという気持ちもあります。『踊る』は、僕にとって大きなものですね」(取材・文:早川あゆみ)
『室井慎次 敗れざる者』全国公開中 『室井慎次 生き続ける者』11月15日(金)全国公開