【韓国ドラマ】最高に泣ける大傑作!切なくて、ときめく「ロマンス時代劇」見始めたら抜け出せない
私の大好きな世子さまものは、どちらかというとフィクションものが多く、その場合、世子=ヒーロー、政敵の重臣たち=悪者という、勧善懲悪的な安定のなかにある切ないハラハラドキドキ、時代エンターテイメント仕立てが中心。それもそれで大好物ではありますが、動かしようのない史実のその真実を解き明かしていくような胸詰まるヒューマンミステリーとしての面白さは歴史ドラマならでは。 そういう意味でも、この作品は私好みど真ん中。余計なものはとっぱらって、歴史的事実を交えながら正祖とドクイムの“心”にぎゅうっとフォーカスするよう紡いで描いた脚本も、時代の美しさを映し出す繊細かつ力強い映像も引き込まれずにはいられません。
■除隊後復帰一作目でみせたジュノ(2PM)の圧倒的な存在感! なかでも、素晴らしいのが主演のふたり。ドクイムを演じたイ・セヨンは子役から活躍している演技派女優。原作(同名小説がドラマの原作)を読んで号泣し、その余韻が何日も続いたというイ・セヨンは、自身が感じたその感動と余韻をそのまま感じてほしいと準備してドクイム役に臨んだとか。正祖への思いと、ひとりの女性としてのあり方と。 これまでにないドクイム像(脚色部分ももちろん多くはありますが、この作品のドクイムは歴史に最も近いキャラクターともいわれている)は、今に生きる私たちにも共感する部分が多く、イ・セヨンの思惑どおり、観終わったあとは、その深い愛のありように胸痛いほどの余韻が続くこと必至。 ドラマ序盤は、ドクイムがイ・サンをイ・サンとは知らずに、傍若無人にふるまったり、イ・サンが自分の正体を知らないドクイムに翻弄されるツンデレぶりを見せたりと、典型的な“世子さまもの”として笑える胸キュンシーンも満載で、つかみも完璧。そして、見始めたらもう一気。世紀のロマンスに、どうか、どっぷりと酔いしれて、そして、どうかたっぷりと号泣してくださいませ。ロマンス時代劇の大傑作です。
[教えてくれた方] ライター 山崎敦子さん エクラ、シュプール、ハーパーズバザーなどウェブ中心にドラマやK-POPなど韓流エンタメについて執筆。仕事以外の時間は寝食削って韓流漬け。 ライター 小田 香さん ブレーンライターとして『韓流ぴあ』に創刊から携わる。俳優取材などの仕事はもちろん、生活の大部分を韓国エンタメ鑑賞に費やして早20数年。 文・山崎敦子