報酬9800万円?米国での人気ユーチューバーボクシング対決が本物の世界戦を押しのけメイン抜擢に賛否
英国のKSI(26)と、米国のローガン・ポール(24)という2人のユーチューバーセレブリティが9日(日本時間10日)、米国ロスのステイブルズセンターで満員のファンを集めクルーザー級の6ラウンド、10オンスのグローブを使ったボクシングルールで対戦し大きな話題を集めた。2人はそれぞれ世界中に2000万人前後のユーチューブ登録者を持つモンスターユーチューバーで昨年8月に英国でヘッドギアをつけたアマチュアルールで対戦し引き分けに終わっていた。KSIは、アマチュアボクシングの経験が多少あるが、ポールはレスリング出身でボクシングは完全な素人。両者は、トレーニングを積み、今回はカリフォルニア州のアスレチックスコミッションからボクシングライセンスを交付され、プロとしての資格を得てリングに立った。 試合は、“経験者”のKSIが積極的に攻め、体格で上回るポールがカウンターを狙うという展開。2ラウンドにKSIの右のオーバハンドのフックがヒットしてポールはバランスを崩したが、ダウンではなく「スリップ」の判定。4ラウンドにはポールの右アッパーが決まって、KSIはダウンしたが、右手で後頭部をつかみ左アッパーを追い打ち、さらにダウンした後にパンチを繰り出したことから、2つのパンチを反則とみなし「減点2」を取られた。 結局、判定にもつれこみ、「57-54」「56-55」で2人がKSI、「55-56」で1人がポールを支持し、2-1判定でKSIが勝利。試合後、ポールは、3日前から体調を崩して練習をできなかったことや、「2点の減点はおかしい。委員会に抗議する」と訴え、同時に3度目の対戦を要求した。だが、勝者のKSIは「もうこれですべて終了。オレは次へ進む」と相手にしなかった。ちなみにKSIが、次にボクシングでの対戦を要求しているのは、この日、ポールと共に入場してきた人気歌手のジャスティン・ビーバー。 この試合は、ボクシングの大手プロモーターであるマッチルームのエディ・ハーン氏が、てがけて「DAZN」で欧米に配信された。 また、この色モノのノンタイトル戦がメインで、前座にWBO世界スーパーミドル級王者、ビリー ジョー・サンダース(英国)の初防衛戦と、WBC世界ライト級王者、:デビン ハニー(米国)の初防衛戦が組まれていたことから世界中で多くの賛否が巻き起こった。 英国のインディペンデント紙は、2人が、それぞれ90万ドル(約9800万円)の報酬を得るとの推測があることを紹介した上で「スポーツファンにとって、(この夜に)与えられた答えよりも多くの疑問を生じさせるイベントとなった」と疑問を呈した。