『イチゴ農園計画』が頓挫 市の補助金3億7千万円は回収できず…工事代金の支払いめぐり事業者と建設会社の間で訴訟トラブルも
取材班が見に行ってみると、予定地にはコンクリートの囲いができていますが、イチゴはまだできていない状態。イチゴ農園は完成していませんでした。 しかし、基礎工事の囲いが2つできていて、ハウスの骨組みとなるのか、大量のパイプが置かれていました。 高島市によると、補助金はまだ1円も返ってきておらず、そのことについて3月の議会では…。 【滋賀・高島市 福井正明市長】「支出した補助金、および延滞金の全額回収に取り組んでいるところであります」 市長はこう述べるにとどめ、「裁判中」を理由に多くは語りませんでした。 進展が見られない事態…。なぜ補助金は返ってこないのでしょうか。
■未返金で訴訟…補助金はどこへ?
風車によると、イチゴ農園の建設は、入札で決まった横浜市の建設会社「COSMO」と契約。 そして、高島市から受け取った3億7000万円をCOSMOへ入金しましたが、COSMOは「資材の見積もりをやり直したい」などとして着工を遅らせてしまい、その後も、工事は予定通りに進みませんでした。 【「風車」代表(2024年3月)】「われわれとしては建設会社にお金を持ち逃げされた思いです」 「COSMO」の責任を主張する「風車」の代表。支払った金額の一部の返還と、事業失敗の責任を問うために裁判を起こしたことを明かしました。 つまり、このような状況です。高島市は事業者「風車」に補助金3億7000万円を交付。「風車」は3億7000万円を建設会社「COSMO」に支払ったと主張。それぞれ返還を求めて裁判になっているのです。 さらに取材すると、現場の工事代金の支払いを巡るトラブルがありました。 一部の基礎工事を請け負った男性は、当初から支払いが滞っていたと話します。
【建設会社の代表】「金が遅れる理由が『待ってくれ』ばかりで、待たないと仕方ないなと」 「『完成させてくれたら払う』と言ったので、うちは完成させたわけです」 しかし完成させてもCOSMOからの支払いはなく、2000万円以上を受け取っていないと訴えています。 【建設会社の代表】「4月30日に金を振り込むという話だったけど、振り込みがなくて、それから連絡が全然取れない。メールを送っても、会社へ電話しても電話が変わったのか(つながらない)」 「ほんまに正直に真面目に仕事をして、責任感で完成させたけど、無念というか、ばかというか、なんと表現していいのか分からないけど」 工事代金を支払っていないというCOSMOは、補助金を何に使ったのか。話を聞くため、横浜へ向かいました。