『イチゴ農園計画』が頓挫 市の補助金3億7千万円は回収できず…工事代金の支払いめぐり事業者と建設会社の間で訴訟トラブルも
■COSMOの実態は? 関係者の口から驚きの事実が
契約書に書かれた住所は、マンションの一室でした。会社は移転したようで、登記簿の住所に行ってみるも、そこはシェアオフィス。 【記者リポート】「貸会議室にCOSMOという会社は見当たらなかったですね」 インターホンにCOSMOの連絡先はありませんでした。 さらに、登記上の代表の自宅を訪ねてみました。そこで代表と会うことはできませんでしたが、家主によると、家賃の支払いを巡ってトラブルになっていることが分かりました。
そんな中、わずかな手がかりからたどり着いたCOSMOの関係者が、この事業について口を開きました。 補助金3億7000万円の使い道をたずねたところ、こんな返答が。 【COSMO関係者】「頂いたお金は現場で作業員を雇ったり、材料を購入したりすることに使いました」 受け取った金は工事に使い切ったと主張。 工事が間に合わなかったことや、代金が支払われていないことについても聞いてみると…。 【COSMO関係者】「工事が始まると、土壌改良など追加工事が発生し、時間とお金がさらに必要になった。その支払いを『風車』に求めたが、トラブルになってしまった。結局、工事は間に合わず、未払いの問題はそれが原因で起きたと思います」 予想外の追加工事の支払いを巡って「風車」とトラブルになり、工事が間に合わなかったとして、責任は「風車」にあると主張しました。 そして、驚きの事実を口にしたのです。 【COSMO関係者】「下請け業者から“カンムリ”で参加してほしいといわれた。横浜から遠い現場だったが、入札に参加することになった」 「完全な名義貸しはだめなので、自分たちは作業員の小屋を作るなどはしたが、大部分は下請けに任せました」 カンムリとは、入札資格があるCOSMOが落札し、イチゴ農園建設にたけた下請け業者に、大部分を丸投げするということ。 話を持ってきたのも、入札資格のない業者だったといいます。
入札のルールで「一括下請け」は禁止されていますが、網の目をすり抜けたような形で参加していたというのです。 建設会社へ取材した結果、「補助金は使ったが完成はしなかった」と話していて、「風車」と「COSMO」が責任を押しつけあう状況になっているということが分かりました。 責任の所在が不明瞭なこの問題。そもそも莫大な税金を扱う上で、書類上の審査ではなく、会社の実態を詳しく調査する必要があったのではないでしょうか。 高島市は警察への相談も視野に入れているということですが、まずは市民への説明責任を果たすことが求められています。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年3月21日放送)