アコスタの後塵を拝するも3戦連続でスプリントを制したバニャイア「燃料消費を抑えるマップで走らなければいけなかった」/MotoGP第16戦日本GP
10月5日に行われた2024年MotoGP第16戦日本GPスプリントレースは、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が3戦連続となる今シーズン6度目のスプリント優勝を飾った。 【写真】レースをリードするフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム) 午前中に行われた予選で2番グリッドを獲得したバニャイアは、フロントロウからスタートしホールショットを奪取。3周目にポールポジションスタートのペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)に交わされるも、アコスタが残り4周で転倒し再びトップに浮上する。 最終ラップでは後ろから迫るチームメイトのエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ・レノボ・チーム)とマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)を振り切り、今季スプリント6勝目となるチェッカーを受けた。 スプリントレースでは燃費が厳しかったと振り返ったバニャイア。 「レース前のサイティングラップでは、コンディションをよりよく理解するために、エコラップモード(サイティングラップ用のモード)で走らなかった。重要なことだったし、正しい選択だったと思う」 「ただ、そのためにレースが始まってすぐから、燃料消費を抑えるために普段と比べてパフォーマンスを抑えたマップを投入しなければならなかった。完走をするためには、それしか方法がなかったんだ」 「エネアも、まったく同じではなかったけれど、常にスリップストリームで僕と一緒にいたと思う。(ホルヘ・)マルティンも確実に僕と同じことをしていただろうけど、僕らにはわからないし、知る必要もなかった。でも彼はチェッカー後のラップで燃料を使い切っていなかったから、もしかしたらもっとセーブをしていたのかもしれない」 毎刻変わりゆく路面の微妙なコンディションをレース前に確認することを重要視し、レースでのペースを犠牲にして安全に確実に走り切ることを優先したバニャイア。その『確実』の中でも最大限のパフォーマンスを見せ、ゴール直後にガソリンを使い果たした。 「ここ最近のレースでは、いつもこんな感じで上位争いをしながらも、少しペースが落ちると4番手や5番手になってしまう。明日はまた違った展開になると思うけれど、今やっているような作業を続けなければならないね」 「ペドロ(・アコスタ)はコーナーの進入でとても強かった。第1セクターと最終セクターもとても強かったので、彼のやっていることは理解できたし、それを僕も真似たんだ。でもパワーが弱かったから、接近するのは不可能だった」 「フロントタイヤのプレッシャーも少し高すぎたと思う。たぶん、チームがコンディションを考えて安全な圧力でのスタートにしたんだ」 「ペドロが転倒した後、エネアとの差を広げるためには2周プッシュする必要があると思った。ちょっとオーバーだったかもしれないけど、今日はリスクを冒す日ではなかったから、こうやってフィニッシュすることのほうが重要だったね」 ペース面ではアコスタに劣っていたものの、結果としてはアコスタの転倒によりトップでチェッカーを受けることに成功した。もしアコスタが転倒しなかったら、最後の3周はどうなっていたのだろうか。 「彼はとても良かったと思うけど、転倒の前に少しペースが落ちていた。だから、僕のパフォーマンスが上回っていた可能性はあると思うよ」とバニャイア。 日曜日の決勝レースは、現時点の予報ではドライコンディションとなる見込みだ。 「明日は自信があるけれど、リヤタイヤを選択するのが大変だろうね。金曜の朝にミディアムのリヤタイヤで8周走っただけだけど、その時はフロントにもミディアムを入れていた。コンディションが素晴らしいわけではなかったが、悪くないタイムを出せたよ。午後にミディアムでもたくさん周回を重ねたのは(マーベリック・)ビニャーレスだけで、彼のラップタイムは良かったよね」と決勝レースの展望を語るバニャイア。 日本GP決勝レースでは、コンディションに合わせたタイヤ選択が鍵となるかもしれない。 [オートスポーツweb 2024年10月05日]