米国における暗号資産規制のジレンマ
求められる連邦レベルでの環境整備
問題を解決できるのは議会だけだ。州レベルでは、2つの「キャッチ22」の解決に活発に取り組んでおり、暗号資産に関しては、ニューヨーク州が独自の認可制度ビットライセンス(BitLicense)を導入したり、カリフォルニア州がデジタル金融資産法(Digital Financial Assets Law)を制定している。またフィンテック企業に対しては、ワイオミング州が特別目的預金機関(SPDI)という独自の認可制度を導入している。 しかし、これらの州法や制度に準拠しているからといって、連邦レベルでの問題に直面しないとは限らない。ビットライセンスを持ちながら「未登録の証券取引所、ブローカー、清算機関として営業している」としてSECに訴えられているコインベース(Coinbase)や、SPDIとして認可されながらもFRBマスター口座の開設が認められず、基本的な決済サービスを直接提供できていないカストディア(Custodia)の例がある。 金融イノベーションを維持するために議会は行動を起こさなければならない。連邦レベルでの暗号資産とフィンテックを対象とした規制フレームワークの整備は、米国の資本市場と金融市場の健全性、競争力、包括性を維持するために極めて重要だ。冒頭のジョセフ・ヘラーの言葉を借りれば、暗号資産およびフィンテック企業は「永遠に生きるか、未遂に終わる(going to live forever or die in the attempt)」運命にある。 |翻訳:行武 温|編集:CoinDesk JAPAN編集部|画像:Nikhilesh De/CoinDesk|原文:The Catch-22 of U.S. Crypto Regulation
CoinDesk Japan 編集部