「近畿は勝てない」ジンクス跳ね返した脇本雄太 帝王・山田裕仁氏が指摘する犬伏湧也の敗因とは/G1競輪祭回顧
現役時代はKEIRINグランプリを3度制覇、トップ選手として名を馳せ、現在は評論家として活躍する競輪界のレジェンド・山田裕仁さんが小倉競輪場で開催された「競輪祭」を振り返ります。
2024年11月24日(日)小倉12R 第66回朝日新聞社杯 競輪祭(GI・最終日)S級決勝
※左から車番、選手名、期別、府県、年齢 ①松浦悠士(98期=広島・34歳) ②脇本雄太(94期=福井・35歳) ③荒井崇博(82期=長崎・46歳) ④寺崎浩平(117期=福井・30歳) ⑤松谷秀幸(96期=神奈川・42歳) ⑥村上博幸(86期=京都・45歳) ⑦犬伏湧也(119期=徳島・29歳) ⑧菅田壱道(91期=宮城・38歳) ⑨浅井康太(90期=三重・40歳) 【初手・並び】 ←⑦①③(混成)⑧⑤(混成)⑨(単騎)④②⑥(近畿) 【結果】 1着 ②脇本雄太 2着 ⑦犬伏湧也 3着 ①松浦悠士
今年最後のGIは激闘の連続、初日から波乱も
年末の大一番・KEIRINグランプリ出場を目指す戦いも、これが「最後」。11月24日には福岡県の小倉競輪場で、競輪祭(GI)の決勝戦が行われています。6日制のナイター開催で、初日からまさに激闘の連続となったこのシリーズ。S級S班であっても一次予選からのスタートで、初日には脇本雄太選手(94期=福井・35歳)がなんと最下位に終わるという大波乱が発生。このレースでは、3連単31万車券が飛び出しています。 一次予選は「2戦で得た点数による勝ち上がり」で、一発アウトではないとはいえ、いきなり黄信号が灯った脇本選手。しかし、翌日はしっかり1着をとって、なんとか二次予選に駒を進めています。脇本選手は、その二次予選でも後方7番手に置かれるかなり厳しい展開になるも、豪快に捲りきって1着。初日はどうなることかと思われましたが、どうやらデキは上々のようです。 二次予選では、佐藤慎太郎選手(78期=福島・48歳)と山口拳矢選手(117期=岐阜・28歳)が勝ち上がりを逃して、S級S班からの陥落が決定。5日目の準決勝第10レースでは、直前の四日市記念(GIII)を制して勢いに乗る新山響平選手(107期=青森・31歳)が敗退しますが、こちらは決勝戦を前に、獲得賞金によるグランプリ出場を決めています。このレースを制したのは、自力に切り替えて捲った脇本選手でした。 続く準決勝第11レースでは、眞杉匠選手(113期=栃木・25歳)が敗退。松浦悠士選手(98期=広島・34歳)が犬伏湧也選手(119期=徳島・29歳)とのワンツーを決めて、初日から無傷の4連勝で決勝戦進出を決めました。本当にいいときの松浦選手が、ようやく戻ってきたという印象ですね。昨年のグランプリ覇者として、このシリーズに賭けてきた“気持ち”の強さも感じられました。 そして準決勝第12レースでは、古性優作選手(100期=大阪・33歳)のブロックで深谷知広選手(96期=静岡・34歳)と郡司浩平選手(99期=神奈川・34歳)が落車するという、大アクシデントが発生。これによって残念ながら、深谷選手のグランプリ出場への道は閉ざされ、S級S班からの陥落も確定しました。古性選手はレース後に失格となり、当然ながら決勝戦進出を逃しています。