イラン核合意を批判 イスラエルはイランを攻撃するのか?
もしアメリカ議会で核合意が審議されている際に、イスラエルにヒズボラのミサイルの雨が降るような状況になれば、議会でイスラエルに対する同情心が高まり、合意阻止に必要な3分の2の票が集められるのではないか? との計算に基づいてイスラエルが戦争を始めるのではないか。というのは、危機感が高まれば、オバマ政権のイラン政策を支持してきた民主党の議員の一部までもが、合意への反対に回る可能性が高まるからです。専門家の間でささやかれている悪魔のシナリオです。 議会は9月の中旬まで、イラン核合意について審議する予定です。それまではイスラエルの動向から目が離せません。 (放送大学教授・高橋和夫)
■高橋和夫(たかはし かずお) 評論家/国際政治学者/放送大学教授(中東研究、国際政治)。大阪外国語大学ペルシャ語科卒。米コロンビア大学大学院国際関係論修士課程修了。クウェート大学客員研究員などを経て現職。著書に『アラブとイスラエル』(講談社)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会)、『イスラム国の野望』(幻冬舎)など多数