日本株、年末の「駆け込みNISA枠消費」需要で大注目の「プロ厳選”好”配当銘柄5選」を実名紹介
例年、年末に向けてはNISA(少額投資非課税制度)の年間投資枠を使い切ろうとする個人投資家の買いが活発化する。この中で特に注目されるのが、株価に対する配当金の割合が高い高配当利回り銘柄だ。新NISAの導入を機に日本株への関心が高まったこともあり、個別銘柄も対象に含む「成長投資枠」を通じた資金流入が続いている。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” もっとも、ここ最近は高配当利回り銘柄への人気にもやや陰りが見られている。日経平均構成銘柄のうち配当利回り上位50銘柄で構成される「日経平均高配当株50指数」は、2024年半ば以降は上値の重い推移を続けている。株価上昇で高配当株の割安感が薄れたことや、年後半に景気の先行き不透明感が頭をもたげた影響があるようだ。実際、人気銘柄の一部で配当引き下げの見通しが強まったことなども、個人投資家の選好に影響を与えている。 高配当利回り銘柄への資金流入はいったんピークを迎えた格好だが、給与や年金などの定期収入をカバーする目的で配当に着目する個人投資家は依然多い。株主還元の強化は2025年も市場を支える重要なテーマであることは間違いないだろう。 外部環境に不透明感が高まる中で注目したいのは、長期にわたり株主還元の積極姿勢を維持した実績のある銘柄だ。持続的な配当実施を可能とする安定的な現金創出力のある銘柄は、世界的な不確実性が高まった場合でも衰え知らずの魅力を持つ。2024年の年末は、高配当銘柄よりも持続的な配当実施が見込める好配当銘柄に注目が集まりそうだ。
花王(4452)
■株価(11月15日時点終値)6280円 配当利回り(予)2.42% 株主還元では、34期連続の増配を達成し、配当性向(利益のうち株主に配当として還元する割合)40%に設定している。近年、利益面では低迷期が続いていたが、2023年8月に構造改革と成長戦略を柱とする中期経営計画「K27」を発表した。これにより、利益重視とグローバル成長を目指す企業へと変革を進めている。 具体的には、化粧品事業でグローバル競争力のある6ブランドに集中投資を行い、中国市場への過度な依存を見直すことで、地域バランスの取れた成長を目指している。同時に、「アタック」や「ビオレ」といった高収益事業のさらなる拡大にも注力している。 日本の消費市場は低価格志向が根強く、原材料価格の高騰を価格転嫁することが困難とされてきたが、花王は「戦略的値上げ」を実施し、その定着化にも成功した。構造改革の成果が具体化するにつれ、利益率向上にも寄与している。今後、グローバルでの競争力強化や収益性の改善が進めば、株式市場における低評価が見直される期待も広がっていくだろう。