なぜ“名将“モウリーニョ監督は電撃解任されたのか…英メディアは「トップレベルの監督地位は消えつつある」と辛辣評価
英BBCスポーツは、「過去にマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、レアル・マドリード、インテル・ミラノ、ポルトを率いてきたモウリーニョは、監督キャリアの中で初めて1シーズンのリーグ戦で10敗を喫した。試合をリードしながらもスパーズ(トッテナム)が失った勝ち点は20で、これ以上失ったチームはプレミアリーグに他になかった」と成績不振を指摘。「モウリーニョの何がうまくいかなかったのか」との検証も行った。 「2019-20年シーズンを追跡したアマゾンのドキュメンタリー番組『All or Nothing』で取り上げられた彼の仕事ぶりを見たスパーズファンの間で、彼の評判は高まっていた。そして彼はインスタグラムでソーシャルメディアのスターのようになった。昨年12月にはライバルのアーセナルに地元で2-0のスコアで勝ちリーグのトップに立った。プレミアリーグで3度、チャンピオンズリーグで2度の優勝を誇るモウリーニョは北ロンドンのダービーマッチの最初の2試合ともに勝利したスパーズで2人目の監督となった」と、トッテナムでの1年目、今季の序盤の指揮ぶりを評価した。 だが、その後、リバプールに敗れるなどして、すぐに2位に転落、以降リーグ戦19試合で7勝8敗4分と低迷した。 「つい2週間前には、優れた戦術家で守備意識が高く、元FIFAの年間最優秀監督だったモウリーニョは、スパーズが勝ち点を落としていることに対する非難を受け入れることを拒否していた。モウリーニョがこれまで率いたチームはリードを守る事に長けていたのになぜ今は守れないのかとの批判を受けると『同じ監督だが、選手が違う』と語った」という選手批判とも取れる発言をしていたエピソードも紹介した。 スカイスポーツは、「衝撃的な監督解任とともに(モウリーニョ招聘の)ギャンブルは17カ月を過ぎて完全な失敗に終わった。驚きは彼が去ることではなく、ウェンブリーでマンチェスター・シティと行うカラバオカップの決勝を間近にして起きた解任のタイミングだった。モウリーニョは、トッテナムに栄冠をもたらすつもりだったが、2年連続で上位4位に入れない状況で、フットボールにおけるマイナス面を批判され、多くの主要選手たちの不確かな将来も合わせ、レビー会長は(モウリーニョとの)契約を劇的に打ち切った」と、今回の解任を支持するとも取れる見解を示した。 モウリーニョの今後についても「モウリーニョはプレミアリーグでは不確かな未来へと踏み込んだ。最近の監督としての失敗、勝率の下降、彼が残したマイナス面といった結果を見て、(今後)どのクラブが彼の高額な給料を払いたがるだろうか。モウリーニョは自らの名声を守るために激しく戦ってきたが、現代サッカーのトップレベルの監督として彼の地位は消えつつある」と厳しい見方で報じた。 現在、モウリーニョは解任に関しての正式なコメントは出していない。 スカイスポーツが、モウリーニョがロンドンの自宅に帰ってきたところをつかまえて直撃インタビューを試みたが、「私が話すことはないだろう。私が何も明かさないということは分かっているはずだ」とコメント。しばらく(監督業は)休養するのか?との質問に対して「その必要はない。私はいつでもフットボール界にいる」と、他クラブでの監督続投への意欲を示したという。