シーズン中は「16勝8敗」でDeNAを圧倒していたのに…「巨人」まさかのCS敗退にレジェンドOBがクビを傾げる“巨人打線の根本的な問題”
10月21日、セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの第6戦が東京ドームで行われた。DeNAが初戦から3連勝し、後のない巨人は第4戦と第5戦を死守。アドバンテージの1勝を含め、3勝タイと押し戻した。そして迎えた最終戦は「巨人が勝つか、引き分けるかで日本シリーズ進出」という文字通りの天王山となった。 【写真】阿部巨人「リーグ制覇」の立役者といえば菅野智之。正念場のエースを見事に復活させた“魔改造”コーチとは ***
だが、巨人は敗れた。2-2の同点で迎えた9回表。巨人の菅野智之がDeNAの牧秀悟にタイムリーヒットを浴び、2-3で惜敗した。今季の巨人はリーグを制し、2位の阪神には3・5ゲーム、3位のDeNAには8・0ゲーム差を付けていた。それでも敗北してしまったのだ。 巨人とDeNAの対戦成績を見てみると25試合を戦い、巨人が16勝8敗1分と圧勝していた。しかしながらCSで勝つことができなかった。担当記者が言う。 「多くのスポーツメディアが巨人の敗因は貧打にあると解説しました。見出しに『貧打』の単語を使った記事を調べてみると、日刊スポーツ、スポニチアネックス、サンケイスポーツ、夕刊フジ、朝日新聞デジタル……と枚挙に暇がありません。中でもスポニチアネックスの記事は、CSにおける巨人のチーム打撃成績は打率が176打数30安打の1割7分で、得点はわずか9点と指摘。6試合まで戦ったファイナルステージとしては2010年にソフトバンクが記録した打率1割6分9厘に次ぐ低率だったそうです(註)」 ちなみに2010年のソフトバンクは秋山幸二監督の2年目。パ・リーグで優勝を果たす一方、CSファーストステージでは3位のロッテが2位の西武を撃破。ファイナルステージでロッテと対戦したソフトバンクは3勝4敗で敗れてしまった。今回の巨人と全く同じ結果であり、3位チームの下剋上を許してしまった。
点が取れない巨人
ところが、である。巨人のシーズン成績を振り返ってみると、CSの時ほど貧打に悩まされていたとは言えないようなのだ。 まず打率を見てみよう。DeNAのチーム打率は2割5分6厘で、これはセ・リーグ1位。しかし巨人も2割4分7厘、リーグ2位と肉薄している。 次にホームランの数だが、リーグ1位はヤクルトの103本。2位はDeNAで101本、そして3位は巨人で81本。改めて調べてみると、巨人は打率もホームラン数も決してDeNAに見劣りするわけではないことが分かる。 その一方で、チーム得点を見ると巨人の敗因が見えてくるかもしれない。DeNAの522点はセ・リーグ1位。一方の巨人は462点で4位に甘んじている。 ここで注目したいのが阪神だ。打率は2割4分2厘でリーグ5位、ホームランは67本で同じく5位と、巨人以上の貧打であるにもかかわらず、得点は485点で3位に食い込んだ。4位の巨人より点を取ったことになる。 どうやら巨人はチーム打率もホームラン数も決して悪くないのだが、得点力が見劣りするシーズンだったということになりそうだ。 ちなみに今季のソフトバンクは打率2割5分9厘で、これは12球団で1位。ホームラン114本も得点607点も同じように12球団で1位だ。