「いじめられたくなければ、お前の彼女を差し出せ」…いじめ加害者の卑劣な要求に、彼氏が下した「最悪の決断」
卑劣な交換条件
学校内で孤立してしまい、卑屈で暗い性格になってしまったS君。それでも和香さんは変わらずにS君と交際を続けていたのだが、あろうことか、いじめグループの少年たちが和香さんに目をつけてしまう。 「ふたりがデートしていたところを見られたのがきっかけでした。加害少年たちはS君にうちの娘を差し出すように命令したのです」 交換条件は「もういじめない」ことだったという。 「精神的に限界だったS君は正常な判断力がなかったのでしょう。彼は加害少年たちに言われるままに娘を連れ出しました」 その頃S君をデートに誘い出すのは、常に和香さんの方だったらしい。 「それが久しぶりにS君の方から誘われたと言って、娘はすごく喜んでいました。買ったばかりのワンピースを着て嬉しそうに出かけて行く娘…娘の心からの笑顔を見たのは、この時が最後になりました」 …この後、和香さんは加害少年たちの餌食にされた――。 つづく後編記事『「お前って淫乱なのか?」いじめ加害者に交際している彼女を“生贄”として差し出した、最悪な彼氏が言い放った「最低すぎる一言」』では、事件の詳細と、性被害のカウンセリングの難しさ、そして被害をメディアで告白した切実な理由を母が語ります。
清水 芽々(ノンフィクションライター)