1日4杯のコーヒーで心血管疾患リスク増加 カフェインが引き起こす“健康被害”
研究グループが発表した内容への受け止めは?
編集部: 研究グループが発表した内容に対する受け止めを教えてください。 中路先生: 本研究は、カフェイン摂取と心血管疾患の関連を示唆した貴重な研究と言えます。ただし、症例数が少なく、カフェインの摂取以外にも、年齢、性別、人種、喫煙、飲酒、塩分摂取量などがデータに影響を及ぼす「バイアス」の存在が考えられます。また、カフェインに対する感受性にも個人差があるため、その解釈には注意を要します。
発表された内容を、どのように活かすことができる?
編集部: 今回発表された研究では、1日に400mgを超えるカフェインを摂取すると健康な人の心血管疾患リスク増加が示されましたが、こうした情報をどのように活かすことができると思いますか? 中路先生: カフェインには基礎代謝を上げて運動効率を向上させたり、社会活動におけるストレスを解消したり、集中力を維持して仕事の効率を上げたりするといった、プラスの側面もあります。摂り過ぎには注意し、上手に付き合いましょう。そのうえで、適度な運動をして生活習慣を見直すことが、良好な血圧を保ち、心血管疾患のリスクを低下させるのに役立つでしょう。
編集部まとめ
インドのザイダス病院らの研究グループは、1日に400mgを超えるカフェインを摂取すると健康な人の心血管疾患のリスクを高める可能性があることを明らかにしました。今回発表された研究は興味深い内容ですが、査読を受けて医学誌に掲載されたものではない点には注意が必要です。
監修医師:
中路 幸之助 先生(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター) 1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。