「ひかり拓本」技術学ぶ 三重・多気町郷土史研究会会員ら 風化した碑文読解
三重県多気郡多気町郷土資料館(岡井一亘館長)と町郷土史研究会(山下泰史会長)は23日午後1時半から相可の町多気郷土資料館で、「ひかり拓本」講習会を開いた。郷土史研究会の会員有志ら15人が参加し、ひかり拓本の技術を学んだ。 ひかり拓本とは、風化した判読困難な碑文に斜めに光を当ててできる影だけを撮影して、合成する技術。真正面から光を当てて影のない状態で最初の1枚を写し、2枚目以降は光の角度を変えながら影を付けて撮影。最後に、さまざまな角度で撮ったこれらの写真を合成するのが基本の流れ。 奈良文化財研究所埋蔵文化財センター遺跡・調査技術研究室研究員の上椙英之さん(48)=神戸市=が遺跡調査の過程で開発した。 この日は開発者の上椙さんを講師に招いた。参加者はグループに分かれ、文字を刻んだ模型のオブジェにペンライトの光を当てて、スマホで撮影。何回かこれを繰り返した。 古道歩きが趣味という中森延安・同会副会長(74)=土羽=は、「これで石碑の文字を読解することができる。古道歩きが楽しくなる」などと言って笑っていた。