日銀・黒田総裁会見6月20日(全文1)日本の景気は緩やかに拡大
追加緩和を検討せざるを得ない局面と見ているのか
テレビ東京:テレビ東京の大江と申します、よろしくお願いします。先ほどのカワムラさんが質問にちょっと追加で質問させていただきたいんですけれども、世界経済の逆流、それから変調というのをECBですとかFRBが警戒している中で、こうした動きというのを実際、決定会合でどんなふうに議論されたんでしょうか。またこの世界経済の変調を受けて、今日、文言で新しく、海外経済を巡る下振れリスクは大きいとみられるということも追加されてるように、日銀もそろそろ追加緩和を検討せざるを得ない局面になってきているというふうに見ていらっしゃるんでしょうか。 黒田:世界経済の動向について詳しく議論したことは事実ですけども、具体的にどのような議論があったということは、それぞれ開示されるスケジュールが決まっていますので、それでご覧になっていただきたいと思いますけども、確かに今回の公表文の中にかなり、従来よりも詳しく世界経済のリスクを示していることはそのとおりでありまして、それは私どもも世界経済について下方リスクが強まってるということは認めているわけであります。 具体的にかなり今回、詳しくそれを述べるとともに、それに対する対応として今後ともこの金融政策運用の観点からこういった重視すべきリスクを十分点検して、経済・物価・金融情勢を踏まえて、物価安定の目標にむけたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行うというふうに申し上げてるわけであります。ただその一方で、これは先日のG20での議論でもそうでしたし、その際発表されたIMFの世界経済見通しでもそうですけども、今年の後半から世界経済は成長を加速、来年にかけて加速していくというこのメインシナリオは変わってないわけであります。 だからリスクが高まってるってことは事実なんですけれども、メインシナリオが狂ってきて、世界経済が今の時点で成長が回復しないとか、さらに不況に陥る恐れがあるとか、そういうことではないというふうに考えております。 【書き起こし】日銀・黒田総裁会見6月20日 全文2へ続く