車検対策もバッチリ! ホイールスペーサーの正しい使い方と注意点~カスタムHOW TO~
ホイールを取り付ける時、もっとボディの外側にタイヤを取り付けたい。 タイヤとフェンダーが垂直直線上で同じ位置になるいわゆる「ツライチ」にしたいとか、キャリパーキットを取り付けたらホイールと干渉する、ホイールの内側がサスペンションが干渉する、などの理由から使われるのがホイールスペーサーだ。 【画像全6枚】 ◆ハブ面とホイールの間に入れるアルミの板 いわゆるスペーサーというと、ハブ面とホイールの間に入れるアルミの板のこと。スタッドボルトが貫通するために4つもしくは5つの穴が開けられていて、これを挟み込むことでホイールの取り付け面を外側にすることができる。 <スペーサーのメリット> 簡単にタイヤを外側に出せる。増し締めが簡単にできる。 <スペーサーのデメリット> ボルトの長さによって数mmしか入れられない。 スペーサーの場合、厚みが増すほどにホイールに刺さるスタッドボルトの長さが短くなる。なので、スタッドボルトが短いクルマではスペーサーがほとんど入れられないことがある。 ◆スタッドボルトが短い時 20年以上前のクルマではスタッドボルトが長く、10mmや15mmのスペーサーを入れられることもあった。しかし、最近は軽量化を推し進めていることでスタッドボルトの長さも短くなっていて、数mmのスペーサーしか入れられないことも多いのだ。対策としてはワイドトレッドスペーサーを装着するか、スタッドボルトを長いものに交換するという選択肢が出てくる。 スタッドボルトを長くするには作業がやや面倒。車種によるがハブをバラさないとスタッドボルトを打ち替えられないクルマがあり、そうなるとハブベアリングの再利用ができる、まるっと交換になるとなかなかの費用になってしまう。そこでワイドトレッドスペーサーということになる。 ◆ボルト付きスペーサー ワイドトレッドスペーサーはある程度厚みのあるスペーサーからさらにスタッドボルトが生えているもの。このワイドトレッドスペーサーをハブに取り付けて、ホイールはワイドトレッドスペーサーから生えているスタッドブルトに装着する。 <ワイドトレッドスペーサーのメリット> 手軽に大幅にホイールを外側に出すことができる。 <ワイドトレッドスペーサーのデメリット> ホイールを外さないと増し締めができない。元のスタッドボルトの長さによって装着できるホイールが限られる。 ワイドトレッドスペーサーはそのスペーサーからスタッドボルトが生えているので、ある程度の厚みが必要。一般的には15mm以上となる。なので、大幅にタイヤを外側に出したいときは良いが、10mmくらい出そうとするのは無理。 ◆ホイールに干渉するかも あとは、ホイールの裏面に注意が必要になる。例えば、スタッドボルトの長さが20mmで、ワイドトレッドスペーサーが15mmだとすると、5mmだけワイドトレッドスペーサーの取り付け面から純正のスタッドボルトが飛び出してしまう。 スポーツホイールではそういった使い方を見越して、取り付け面の裏側を肉抜きしてあることが多いが、肉抜きがなかったり浅かったりすると純正スタッドボルトにホイールがぶつかってきちんと取り付けることができないのだ。 ◆基本的には合法だが そういった基本を踏まえたうえであとは安全性に注意をしてもらいたい。スペーサーに使用について車検に通らないという話があるが、基本的には合法。もちろんホイールがボディから突出していないことが条件になるが、スペーサーが使われている=車検に引っかかるというわけではない。 それでもディーラーや一部陸運支局では車検に抵触すると言われることもあるという。この件については検査官の判断が異なるのでなんとも言えないところだ。 しかし、純正でスペーサーが装着された車種もある。ポルシェでは911シリーズにおいてホイールスペーサーでハンドリングの調整ができると明記されていたりと、自動車メーカー側でスペーサーを使うこともある。立派なセッティングパーツである。 あるチューニングショップではあえてホイールはややぬるめのサイズを選ぶ。あとはハンドリングをミリ単位のスペーサーで入れて、前後のハンドリングバランスを調節している。そういったことを見越してあえてやや内側に入ったホイールを選んでいる。
レスポンス 加茂新