獅子舞の新たな踊りも 小京都飯田伝統文化育成会が三味線舞踊発表会【長野県飯田市】
日本舞踊や邦楽など飯田の伝統文化の再興を目指し、担い手の育成や伝承に取り組む「小京都飯田伝統文化育成会」(長坂亘治会長)は22日、「三味線舞踊発表会」を長野県飯田市追手町の旧舞鶴で開いた。養成教室の生徒ら17人が観客の前で稽古の成果を披露し、子どもも出演。獅子舞をテーマに新たに作った曲で踊りを舞った。 同会は「小京都飯田」として培ってきた伝統文化が消えつつある中、若い世代を育成し伝承させたい―と2022年に発足。昨年度から日本舞踊と三味線の養成教室を旧舞鶴で開いている。昨年度に続き県の地域発元気づくり支援金を活用した。 教室では古典舞踊育成会「飯田まい珠(たま)」の花柳春輔さんと柘山和代さんが指導にあたり、本年度は新たに8人が加わり、計16人が参加した。月3回ほどのペースで稽古に励み、舞踊では子どもも教わった。 本年度は「獅子舞」をテーマに取り組み、新しく「飯田獅子舞いの曲」を制作。同会から委嘱された飯田市の音楽家桑原利彦さんが作曲し、花柳さんが踊りを付けた。 22日は本年度1回目の発表会で、三味線9人、舞踊8人が出演。長唄や地唄など7曲を披露し、舞踊では飯田出身の詩人日夏耿之介が作詞した「飯田古意めいぶつ唄」も踊った。「飯田獅子舞いの曲」の三味線と舞踊も初めて披露。踊り手は小さな獅子頭を持ち、ほろをなびかせながら優雅に舞った。 今年は初めて子どもが参加し、川路小学校4年と1年の児童姉妹が出演。華やかな着物を着てかわいらしく踊り、観客から拍手が送られていた。児童は「完璧ではなかったけれど、テンポがゆっくりなので音をたよりにしてうまく踊れた」と話した。 花柳さんは「練習が少ない中、皆さん頑張ってくれており、成長を見守ってほしい」とたたえ、柘山さんは「獅子舞の曲を徐々に膨らませて将来は飯田の名物にしたい」と期待した。