【MC20がベース】 今季そのまま参戦のコンペティションモデル マセラティGT2にモデナで試乗
マセラティGT2
その名前からも察しが付くだろう、マセラティGT2はGT2カテゴリーへの参戦を前提に作られたコンペティションモデルだ。 【写真】マセラティGT2国際試乗会の様子をみる (142枚) ポルシェ911などは市販車にもGT2の名前を織り込んでいるが、これは純粋な競技専用モデルであり、一般公道は走れない。 そんなピュアレーサーのテストドライブにジャーナリストを招いた理由は、このマセラティGT2がジェントルマンドライバーを想定したマシンだからだろう。 とはいえ入門用カテゴリーの「FIA-GT4」マシンと比べれば遙かにハイパワーなエンジンとシャシーのアップデートが許されているわけで、その真意は先鋭化しすぎたGT3レースに対するアマチュアの場を作ることなのだと思う。 となるとチェックすべきは、このマセラティGT2がどの程度の懐深さを持っているかだが、さすがはMC20がベースとなるだけあって、素晴らしいマシンに仕上がっていた。
GT2カテゴリーへの参戦を前提
マセラティGT2で核となるのは、やはり3L V6ツインターボ“ネットゥーノ”ユニットだ。 そのパワーこそ約630馬力と、ストラダーレであるMC20と変わらないが、それはレースのBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)を見越してのこと。 よってその仕様もいたずらに出力を上げるのではなく、冷却性能を向上させた上でタービンを大型化することで、高回転での燃焼効率の向上と、高地で開催されるレースでのカバレッジをも見込んだチューニングがなされている。ようするにその性能を、あますところなく発揮するためのアップデートだ。 対するシャシーはサブフレーム周りの強化と、エアロデバイスを含むアウターパネルが変更された。 ワイドトラック化に対応したフロントバンパーは角度変更が可能なフロントスプリッターをも備え、リアカウルトップにはエンジンとギアボックスに空気を送るシュノーケルが設置された。 リアフェンダー上部にあるインタークーラーのダクトカバーは大型化され、フェンダー中段にはタービン用、サイドシル側にはブレーキ用と、いたるところに通風口が開けられている。 最後の締めは、スワンネックタイプのウイングと大型のデュフューザー。ちなみにその骨格はMC20から受け継いだ、バスタブタイプのカーボンモノコックだ。