「日韓首脳シャトル外交」復活で進む合意の実現と関係改善
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尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領のこれまでの努力に報いる訪韓であった。5月7、8日の岸田文雄首相の韓国訪問は、政権発足から一貫して日韓関係の改善のために尽力してきた尹大統領のイニシアチブを高く評価し、それに応える性格の強いものであった。日韓首脳会談後の共同記者会見で岸田首相は、「 3月に尹大統領が示された決断力と行動力 に改めて敬意を表したい」と述べつつ、「早い時期の訪問に踏み切りました」と当初の考えよりも前倒しで訪韓したことを滲ませた。「日韓関係の強化にかける強い思いを私も共有」しているとも述べた。 共同会見で岸田首相は、尹政権の対日政策及び現在の日韓関係改善のプロセスに批判的な声を意識して、次の3点について尹政権および韓国民への配慮を見せた。「元徴用工」問題について、 日本からの謝罪や賠償支払いなしに韓国内での解決を目指す措置を尹政権が3月に発表 して以降、韓国内では尹政権の対日政策を支持するか否かにかかわらず、日本側からの「誠意ある呼応」を求める雰囲気が支配的であった。そうした雰囲気を岸田首相は十分に認知していたに違いない。 ■驚きをもって迎えられた「心が痛む思い」発言
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西野純也