紙屑株が100倍に…伝説の投資家に「この会社は伸びる」と確信させたニトリ創業者のひと言
家具やインテリアなどを販売するニトリは今年、国内外で1000店舗を達成した。しかし北海道経済がどん底に堕ちていた1990年代後半には、札幌に本社を置くニトリの株は紙屑のような値段で取引されていた。当時それを買ったのが、投資家として800億円を超える資産を築いた清原達郎氏だ。そこにから見えるバリュー投資の極意とは?※本稿は、清原達郎『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● 成長株投資がいいのか バリュー投資がいいのか 「成長株投資」とは、利益あるいは売上が勢い良く伸びている会社に投資することです。そういった会社は通常PERは高いことが多いですね。30倍、40倍とか。赤字の会社でも売上高が大きく伸びていれば成長株投資です。 「バリュー投資」というのは、いろいろあるvaluationの中の1つや2つの指標で見て割安な株に投資することです。一般的には低PER、低PBR銘柄への投資、つまり現状では低成長だと思われている会社への投資です。 「あんたらは割安小型成長株に投資するんだろ?だったら成長株投資かバリュー投資どっちなんだよ?」と思われるかもしれません。 答えはバリュー投資です。大雑把に言って、我々が相手にする割安株のユニバース(投資対象)は1000社ほど。その中に50社成長株があるというイメージです。だから買った時点では、ポートフォリオを見るとほとんどがバリュー株です。そもそも最初に銘柄を選ぶ際に割安株のリストから選ぶわけですから、やはりバリュー投資なんだろうと思います。 我々は人気になって株価が高騰している株は絶対に買わないし、みんなが認めるキーエンスのような超優良株も今まで一度も買ったことがありません(空売ったこともありません)。キーエンスはずっと前から評価の高い会社で、過去一度もPERが低くなったことがありません。そういう株には我々は手が出ないのです。