<ぶつからない自動車>障害物を検知するブレーキシステム
購入時にチェックすべきこと
消費者として、衝突軽減ブレーキをどう受け止めるかについていくつかのポイントがある。第一はこれまで述べたように車種ごとに機能がバラバラで、できることに差があるという点だ。なおかつ世代更新も頻繁で価格もどんどん下がっている。そのため、車両購入時にコストと効果が見合うシステムを選択するのがなかなか難しい。これについては、販売店でできることできないことについてしっかりと説明を受けるしかない。それらの説明が正しいかどうかは前述のセンサー方式による長所短所の分類がひとつの基準になるだろう。あいまいな説明ややたらと大げさな説明をするようなら眉に唾をした方がいい。最新鋭最先端のシステムでも出来ないことや例外が沢山あるのがこの種のシステムだからだ。 もう一点のポイントは中古車の購入だ。日進月歩のこの種のシステムは、ほとんどのケースで、旧世代のシステムをアップグレードすることができない。ソフトウェアの更新ではどうにもならないのは、センサーの種類や数、CPUの処理速度などが根本的に違うからだ。しかも中古車の場合、そのシステムがどんな構成でどんな弱点があるかについてしっかり説明を受けるのが新車より難しい。その割に査定額にはしっかり反映されているので、割高な買いものになりかねない。中古車のシステムについては自力でしっかり調べる以外に方法がなさそうだ。 次回は、衝突軽減ブレーキの具体例として現在この種の装備の最先端と目されるボルボV40のシステムを詳細に検分する予定だ。 (池田直渡/モータージャーナル)