高精度の協働ロボット、日本で勝負…中国スタートアップの特徴
ROKAE精機(東京都港区、王少飛社長)は、2015年に創業した中国のスタートアップで各種ロボットを製造する珞石機器人(ROKAE、北京市)の日本法人。日本国内での販売拡大を25年から本格化する計画だ。王社長は「協働ロボット、産業ロボットを市場に浸透させたい。日本でナンバーワンを目指す」としている。 日本市場浸透の中心となる同社の協働ロボット「xMate」シリーズはコントローラーを本体に内蔵し、各軸制御基板を分散型で配置する。これによりトータル重量を削減でき、据え付け時間の短縮や柔軟な導入が可能だ。 品質に極めて厳しい日本市場開拓を目指す同社だが、「品質管理を徹底している」(王社長)のも特徴だ。日本製部品を用いるメーカーが多い中、サーボモーターなどコア部品も含めて「中国製の部品」(同)という。厳しい品質管理・検査体制を敷いており、製品の平均故障間隔(MTBF)は8万時間以上。日本、ドイツといったロボット先進国の人材採用にも積極的だ。 同社は制御関連も全て社内開発している。協働ロボットの動作の最適化と高効率な力制御により、軌跡精度は1ミリメートル以下、位置繰り返し精度はプラスマイナス0・03ミリメートル以下と高精度。精密研削や組み立てにも対応できる。現場導入ではティーチングが課題となることが少なくないが、分かりやすい画像操作環境(GUI)の採用や、高効率な力制御による作業者の負荷軽減などで容易に導入可能だ。 11月にはロボット関連のシステム構築事業者(SI)であるIDECファクトリーソリューションズ(愛知県一宮市)と日本国内の代理店販売契約を締結した。IDECはROKAEの協働ロボットを販売すると同時に、ユーザーのシステム構築をサポートする。 ROKAE精機ではメンテナンスも含めた日本国内の体制整備を進めており、「日本市場で成果を上げて東南アジア、欧米市場での拡販につなげていきたい」(王社長)としている。