トランプ次期米大統領、国連大使にステファニク下院議員 共和党若手の注目株
【ニューヨーク=平田雄介】トランプ次期米大統領は11日の声明で、来年1月に発足する2期目の国連大使に、下院共和党のエリス・ステファニク議員(40)を指名すると発表した。ステファニク氏は国連への厳しい態度で知られる。米国の国連外交は、バイデン政権の国連を重視する姿勢からの転機を迎えそうだ。任命には上院の承認が必要となる。 【写真】トランプ次期米大統領が国連大使を打診したと報じられたステファニク下院議員 ステファニク氏は、親イスラエルの姿勢を打ち出す共和党若手の注目株。パレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、昨年12月の下院委員会公聴会で、ユダヤ人へのジェノサイド(集団殺害)を呼びかける学生への対応について、「状況次第だ」と答えたペンシルベニア大の学長を厳しく追及。辞任に追い込んだことで有名になり、トランプ氏の副大統領候補としても一時、名が挙がった。 今年10月には、パレスチナ自治政府がイスラエルの国連加盟資格剥奪を追求し続ける場合は、米国は国連への分担金支出の「完全な再評価」を検討すべきだと述べている。 トランプ氏は11日の声明で、ステファニク氏を「信じられないほど強く、タフで賢い」と述べた。「閣僚」として処遇する構え。 ステファニク氏は、ハーバード大卒。2014年に女性としては当時最年少の30歳で下院議員に初当選した。米メディアによると、当初は穏健派と目されたが、東部ニューヨーク州北部の地元選挙区でトランプ氏の支持者が増えるにつれて親トランプ派に変節した。外交・安全保障分野の経験は乏しい。現在は下院党会議議長を務める。 米国連大使は、過去にブッシュ元大統領(父)やオルブライト元国務長官らも経験した。今年の大統領選の共和党候補指名争いでトランプ氏に挑み、敗退したヘイリー氏も1期目のトランプ政権下で17~18年に国連大使を務めた。