【宏太’Sチェック】J1札幌 湘南戦はDFで個々が孤立していると感じるシーンが目立った 守備にも攻撃同等のパワーを
◇J1第10節 札幌3-3湘南(27日・札幌ドーム) 湘南戦をひと言で表すと「不用意」という言葉になる。不用意なファウル、不用意なミスから失点し、3点リードを追いつかれた。本当にやり尽くしての結果なのかと。途中から甘さが出たのかプレスバックも遅く、寄せも足りなくなった。「1点も取らせない」とこだわって戦っていれば、結末は違っていたはずだ。 DFで個々が孤立していると感じるシーンが目立った。個人の感覚や勢いでボールを奪いに行き、そこで(相手に)はがされているからもろさが出る。後ろから指示しているとは思うが、見ていてそれが感じられない。ゴールを奪うためにパワーは必要だが、守備にも同等のパワーを使わないと。J1は5分もあれば3点を取れるチームばかりなのだから。 良かった面はあった。スパチョークと浅野のシャドー2人が、ただつなぐだけでなく前を向いてプレーして、攻撃を活性化させた。それによってサイドが生きて起点がつくれ、そこを追い越す動きも見られた。青木もシュートの意識を強く持っていた上に、高い技術があるからミドルで2点を決められた。攻め方次第で複数得点を取れることが分かったのは、プラスに捉えていい。 過去の札幌なら、さあ4点目となってもいたが、強力なFWやサイドの選手がいない今は、やり方を変える必要はあるかもしれない。点を取ったら、まずはいったんリセットして守備を意識し、カウンター狙いにしていく。状況を見ながら戦うことも視野に入れていい。こういう結果になるのは、降格するチームが陥るパターン。何となく改善できるものではないのだから、細かい点まで皆で話し、交代選手を含め、しっかり戦っていけるメンバーで試合をしてほしい。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)
報知新聞社