ロッテルダム、2025年に2大美術館が開館。「移民」と「写真」に特化
オランダでアムステルダムに次ぐ人口第2の都市であるロッテルダム。ここに2025年、2つの新しい美術館がオープン。さらに国際的なダンスハウスの建設計画も発表された。 これらは、オランダの「Droom en Daad」財団とロッテルダム市による包括的な長期文化投資計画の一環であり、音楽、文学、公園の整備、そしてパブリック・アートの委託作品など多岐にわたるプロジェクトが進行中だ。 2025年5月16日に開館予定の新美術館「Fenix」は、移民をテーマにした国際的な美術館で、中国の建築事務所MADが設計を手がけるヨーロッパ初のミュージアムプロジェクトとなる。この美術館は、かつてのホーランド・アメリカ・ライン本部を望むカテンデレヒト地区に位置し、1923年に建てられた歴史的倉庫を改修したもの。かつての赤線地帯であり、ヨーロッパ本土最古のチャイナタウンとしての歴史を持つこの港湾エリアは、地域に根ざした文化の拠点として新たな息吹を吹き込む場へと生まれ変わる予定だ。 こけら落としの企画展「All Directions: Art That Moves You」では、フランシス・アリスやソフィ・カル、ウィリアム・ケントリッジ、スティーブ・マックイーン、グレイソン・ペリーなど世界各地のアーティストによる作品150点が展示される。また、個人の移民体験を語る記念品や、ベルリンの壁の一部などの歴史的な資料も紹介される。 加えて、1955年にニューヨーク近代美術館で開催されたエドワード・スタイケンの「The Family of Man」にインスパイアされた「The Family of Migrants」という写真展も行われる。19世紀末から現代に至る移民をテーマにした194点の写真が取り上げられる。