標準家庭で電気代・月836円負担増…「再エネ賦課金」値上げの理由、日本における再エネの現状は? 専門家が解説
◆日本における再生エネルギーの普及は?
ユージ:再生可能エネルギー普及のための”再エネ賦課金”ということですが、日本の再生可能エネルギーの現状は、いかがでしょうか? 塚越:政府が2021年に策定した政府実行計画やエネルギー基本計画では、公共施設で太陽光発電を設置できる可能性のある場所の50%に導入する目標を掲げています。例えば、政府の2030年度の太陽光発電の導入目標に対して、国の省庁の施設でおよそ1.5%、自治体でおよそ2.7%の見込みにしかなっておらず、なかなか進んでいない状況です。 それなら海に洋上風力発電を作って普及させようという話ですが、これを今の日本の領海内だけではなくて、排他的経済水域(EEZ)にも広げるため、政府は「再生可能エネルギー海域利用法」の改正案を閣議決定して、国会での成立を目指しています。 風車を固定する遠浅の海は少なく、排他的経済水域に作ろうとしていますが、これにはコストがかかります。そのため低コストで作るための技術開発に向けて、国内の電力会社や商社など14社が集まって技術開発を進める組織も作られています。まだまだ、時間がかかるという感じです。 ユージ:脱炭素、地球環境のことを考えると再エネへのシフトは大事なことだと思うのですが、“再エネ賦課金”のあり方について、塚越さんはどう思いますか? 塚越:再エネについての話を聞くと、「けっこうお金がかかるな」と思いますよね。エネルギーの話になると、日本では原子力発電の是非や、再エネにかかる費用などのトピックで意見が割れがちです。とにかく今はこういう問題があるということを知って、いろいろな状況を知ることからスタートするのが大事だと思います。 (TOKYO FM「ONE MORNING」2024年3月28日(木)放送より)