斎藤前知事の「三つのウソ」について徹底検証 「進退に悩んでいるフリをして注目を集める卑怯な手法」
「人件費、ガソリン代は増えた」
兵庫県議会から不信任案を全会一致で可決され、失職、出直し選挙への再出馬を決めた斎藤元彦前知事(46)。9月26日の会見で顔色一つ変えずご自分の主張を淡々と語っていたが、よくよく聞いてみると中身はデタラメばかり。彼が弄(ろう)する三つの虚言を検証した。 【写真をみる】“お土産”を「俺がもらっていく」と堂々お持ち帰り 高級ガニを手に満面の笑みを見せる“パワハラ疑惑”の斎藤知事 ***
その一つ目は、会見の冒頭で訴えた自らの「実績」に関するもの。例えば、斎藤氏はリース公用車をセンチュリーからワンボックスカーに変更したことを実績として挙げているが、 「前々知事の井戸敏三さん(79)は在職中、県庁のすぐ近くに住んでいたので、特に朝はいつも歩いて登庁していました。一方の斎藤さんは県庁から離れた場所に住んでおり、毎朝晩の送り迎えが必須でした」(県関係者) その結果として、 「斎藤時代のほうが公用車にかかる人件費やガソリン代が増えていた。センチュリーをやめて7年間で約830万円の経費が浮くとのことでしたが、それはあくまでリース代に限った話。トータルで考えれば、経費はさほど安くなっていないそうです」(同)
「張本人に、白黒をジャッジする権利がないのは当然」
二つ目の虚言は「告発者捜し」について“最善の対応だった”と言い切ったことである。 斎藤氏は告発文書が出回るや否や、側近に命じて作成者を特定させた。文章を作成した県職員は強引な取り調べを受けた後、今年7月に自ら命を絶ってしまった。 危機管理コンサルタントの田中辰巳氏はこう言う。 「文書の内容がどうであれ、そもそも、告発された知事自身が直接処理にあたってはいけない事案です。公益通報者保護法を持ち出すまでもなく、疑惑が持ち上がった張本人に、その白黒をジャッジする権利がないのは当然のこと。本当にやましい気持ちがないのなら、すぐさま第三者に委ねれば済む話でした。斎藤氏は危機管理の基本を理解していません」
「進退に悩んでいるフリをして……」
そして、三つ目の虚言は「議会解散や辞職の可能性」に関して、前言を撤回したことだ。 「彼は不信任案が可決されてから度々、その後の対応を“しっかり考えていきたい”などと述べ、解散や辞職の可能性を匂わせていました。しかし、26日の会見で解散について“私の中では最初からなかった”と、本音を漏らしたのです」(県政担当記者) さらには、 「不信任案が可決されたことについて問われ、“果たして知事が職を辞すべきことなのかというのが根底にある”と、最初から辞職するつもりがなかった旨も述べました。つまり、彼は解散と辞職のいずれも考えておらず、自動失職するつもりだったということになります」 パワハラの責任より改革のほうが大事と言いたいのだろう。 「まさに墓穴を掘ってしまったということでしょう。彼は進退に悩んでいるフリをして世間の関心を集め、会見の後で連続してテレビ出演を果たしました。出直し選挙に備えて主張を述べたかったのでしょうが、今や卑怯な手法だったと批判されています」 11月17日に投開票が予定されている兵庫県知事選は、斎藤氏にとって厳しい戦いになりそうだ。10月3日発売の「週刊新潮」では、県知事選の有力候補の名前と併せて詳しく報じている。 さらに、関連記事【斎藤知事はなぜ親族から絶縁された? 「お年玉を渡したが…」「官僚になって変わってしまった」】では、親族が語った斎藤知事の“変質”のきっかけについて報じている。 「週刊新潮」2024年10月10日号 掲載
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