上皇后さま“名場面” 優しさとユーモアにあふれ…【皇室 a Moment】
こちらは2009(平成21)年、葉山の海での一場面です。上皇ご夫妻が、紀子さま、当時3歳の悠仁さまを和船に乗せ、上皇后さまと一緒に漕がれる貴重な場面です。 ――このときもう、上皇さまも上皇后さまも70代を超えていらっしゃいますが、力強い漕ぎ方ですね。
また、御所では毎年ご家族でお餅つきをされていました。こちらは、割烹着の上皇后さまが餅をつかれる貴重な場面です。 ――上皇后さま、割烹着お似合いですね。
そしてこちらは、2005(平成17)年、長女の紀宮さま=黒田清子さんと黒田慶樹さんの結婚披露宴の様子です。その場で取材しておりましたが、娘を送り出される母親の表情が強く印象に残っています。
そして2013(平成25)年、先ほどもご紹介したチャリティー晩さん会の、ちょうど20年後のご様子です。当時上皇さまは79歳、上皇后さまは78歳でした。 ――20年たってもなお変わらない、お2人の思い合っていらっしゃるご様子。お召し物もきれいですね。前回と同じような色味が、何か思いがあるのかもしれませんね。このように上皇后さまのご様子をふりかえってみますと、本当にお2人の仲むつまじさが伝わってきます。 上皇さまが話されていますが、何でもお二人で話をしながら、歩いてこられました。お出かけ先での語らい、交流の様子から、上皇后さまのお人柄がよく伝わってきます。お元気にお過ごしいただきたいと改めて思います。 ――今回、いろいろなシーンを見て、その時々、相手が子どもであっても、お年寄りであっても、王室の方であっても、常に人びとを気遣っていらっしゃる。その傍らにしっかりと上皇さまもいらっしゃるという。優しさと愛にあふれているシーンが多かったですね。 “人と接する”という、場面の積み重ねだったのではと思います。 【井上茂男(いのうえ・しげお)】 日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)。