上皇后さま“名場面” 優しさとユーモアにあふれ…【皇室 a Moment】
こちらは、1999(平成11)年ですが、この頃からお声かけが始まったようです。このときは、小さな子どもに「風が冷たいけど大丈夫?」と声をかけて手をふられ、子どもも手を振り返すという場面がありました。この後、次第に距離が近くなり、時間も長くなり、数々のやりとりが生まれました。
【2000(平成12)年1月】 上皇さま)「どこから来られたの?」 女性)「愛媛の松山、道後温泉の近くから参りました」 上皇后さま)「しばらくこちらに?」 女性)「はい、3日間おります」 上皇后さま)「いいお天気で」 女性)「はい、おかげさまで」
【2008(平成20)年2月】 上皇后さま) 「これは?」 上皇さま)「柴犬」 上皇后さま)「いつもここで散歩してらっしゃるの?」 女性)「息子がここにおりまして」 上皇さま(手袋を指さし)「ずいぶん昔から(使っている)」
【2014(平成26)年2月】 上皇さま)「なんかフキノトウが」 女性)「庭にフキノトウが」 上皇后さま)「出ました。どういうふうになさる?」 女性)「天ぷらにしました」 上皇后さま)「フキみそもおいしい」「ようやく春にね」 女性)「梅も咲いています」 上皇后さま)「梅もこちらは早い。東京まはだ」 上皇さま)「でも、皇居だいぶ咲いていましたね、早い梅はね」 上皇后さま)「こちらに来てたくさん咲いているから」
【2016(平成28)年2月】 女性)「耳が遠いもんで」 上皇后さま)「私も(補聴器)入れてるの」
【2018(平成30)年2月】 上皇后さま)「こんにちは」 女性)「皇后さまの夢見ちゃったの」 上皇后さま)「夢の中でちゃんとしてましたか?」 女性)「もう退位されたら葉山に来ないのかな、会えないのかなと」 上皇后さま)「そうでしたか」 女性)「会えなくなったらどうしよう」 上皇后さま)「葉山にはまた参りますね」 ――上皇后さまのお話しの内容が、ご近所さんトークのような、それぐらいリラックスされていますね。 葉山には、上皇ご夫妻が名前を覚えられた「獅子丸」という犬もいました。犬とか、お惣菜とか、普通の会話がいいですよね。 ――フキノトウ何にするの?天ぷら?あらいいわね、みたいな。本当に私たちが日頃繰り広げているような会話で。あと夢を見たという方に対して、「夢の中でちゃんとしていましたか」というあたりユーモアを感じます。 そうですね。上皇さまは、結婚50年の記者会見の時に、上皇后さまについて「面白く楽しい面を持っている」というふうにおっしゃっていましたから、そういう一面が表れているんだろうなと思って見ました。 ――先ほどの会話も上皇さまがにこやかにご覧になっていましたね。 “笑い”が必ずあるんですよね。