上皇后さま“名場面” 優しさとユーモアにあふれ…【皇室 a Moment】
こちらは2005(平成17)年、ノルウェー王宮での歓迎式典です。突然降ってきた雹(ひょう)に、上皇后さまはとっさに懐妊中のノルウェーの皇太子妃を気遣われました。 ――腰に手をそっと当てて気遣われていますね。
2009(平成21)年、カナダの小児病院では、上皇后さまが入院している子供たちのために「ゆりかごの歌」という子守歌を歌われるサプライズがありました。 上皇后さま)「ゆりかごのうたを カナリヤがうたうよ ねんねこ ねんねこ ねんねこよ」「Sleep well tonight.」 ――どの国でも、上皇后さまも上皇さまも人にも動物に対してもすごく自然で、いろんなことがあっても、優しく気遣っていらっしゃるということが伝わってきましたね。 オランダで女の子をあやされた場面がありましたが、当時はまだ先の大戦が色濃く影を落としていまして、デモや抗議が行われました。この時の写真はオランダの新聞が大きく伝え、当時のオランダの首相に、「よそよそしさや恨みから人々の気持ちを親愛の情に転換させた」と語らせた場面です。 トロントでの子守歌は、「何か、読み聞かせ」をというリクエストがあり、いいお話が見つからないので、歌でということになりました。館内放送で病室にも届けられました。最初は緊張されて声が震えていましたけれど、その後、すんだ丸い声になって、現場で取材していてじーんとしたことを思い出します。
■ピアノに歌に…“飛び入り”参加も
上皇后さまは、ピアノも“プロ並みの腕前”ということでも知られます。続いては音楽に関する場面を振り返ります。
まずは退位された2019(令和元)年の夏の映像です。上皇后さまは群馬・草津でコンサートに出演され、サン=サーンスの「白鳥」を演奏されました。
こちらは1993(平成5)年、イタリアでの映像です。歓迎演奏会で、フルート奏者の頼みで上皇后さまが飛び入りで「アベマリア」の伴奏をされたことがありました。 ――現場で初めて楽譜もご覧になって…。