「庶民の味方」「種類が多くて悩む」…QBBの六甲バター、「チーズの種類多すぎ」を生む組織作りの”秘訣”は「開発先導型」な社風にあった!
低糖質ブームや健康志向の広がりの中、糖質が少なく、栄養価が高いチーズへの需要が高まっている。万年ダイエット中な筆者の家飲みのお供も、罪悪感の少ない6Pチーズだ。 【画像6枚】神戸牛入りや、北海道産ホタテ入りもある、QBBのベビーチーズ そんなわけでよくチーズ売り場に行くのだが、どうもQBBチーズ(以下、QBB)の存在感が大きい気がする。スーパーによっては、乳製品売り場面積の2/3を占めている店もあるくらいだ。 気になって調べてみると、QBBを手掛ける六甲バター株式会社は、長年プロセスチーズ(ナチュラルチーズに加熱処理を施すことで熟成を止め、保存できるようにしたチーズ)のトップシェアメーカー※であることがわかった。しかも社員わずか492名で、2023年の粗利益は63億円。2022年4月には東京証券取引所第1部から、東京証券取引所プライム市場に移行している。 (※インテージSRI+ベビーチーズ4個市場2023年1月~12月累計販売個数)
関西人の筆者としては「昔から神戸にあるチーズメーカー」くらいの認識しかなかったが、結構、優良企業だったらしい。成功の要因はどこにあるのか。 ■バラエティが生まれる「開発先導型」の社風 1958年以降、プロセスチーズを作り続けて65年。全売上高の95%以上がチーズを占める六甲バターは、ほぼ専業でQBBブランドのプロセスチーズに特化し、商品開発を行ってきた。 【画像6枚】「ベビーチーズは2億本売れる」「しかも17種類も!」…。QBBで知られる六甲バターは、開発先導型の風土で「多すぎる種類」を実現してきた
ライバルとなる大手乳業メーカー各社もプロセスチーズを扱ってはいるが、ほかの乳製品や、それ以外の食品も手掛ける兼業だ。 加えてQBBは、チーズのバラエティが異常に多い。例えば、年間2億本以上を売り上げる一番人気のベビーチーズだけでも、「定番」「プレミアム」「お酒のおつまみ」「日本の名産」と4シリーズ展開しており、合計17種類もある。 スライスチーズは12種類、6Pチーズは4種類プラス、デザートタイプが期間限定を含めて8種類。全シリーズを合わせると60種類以上にも及び、その多彩さは他の追随を許さない。今風の言葉で言えば、「チーズの種類多すぎ(褒め言葉)」なのだ。そして、この多くのチーズからお気に入りを選べる楽しさが、消費者に支持されている。