カナダに43歳新首相が誕生 対IS空爆撤退など外交政策はどうなる?
先月行なわれた総選挙で10年ぶりの政権交代が起こったカナダ。新たに政権を担う自由党党首のジャスティン・トルドー氏が4日、新首相に就任する予定です。43歳の若さや端正な顔立ちがメディアで取りざたされていますが、これまでの保守党ハーパー政権と違い、対「イスラム国」(IS)空爆からの撤退を表明するなど、特に外交政策における方針転換を打ち出しています。トルドー新首相の下、カナダの政策はどのように変わっていくのでしょうか。
カナダ版“ケネディ家”のイケメン
カナダ議会下院の解散に伴う総選挙が10月19日に行われ、野党の自由党が議席の過半数を制する大躍進を見せました。選挙の結果、ハーパー首相の保守党政権の敗北が決定。約10年続いた保守党による政権運営は終焉を迎え、自由党の党首で、現在43歳のジャスティン・トルドー氏が新首相に就任します。
11月4日にカナダの新首相に就任予定のトルドー氏は、1960年代後半から80年代後半にかけて首相を2期務めた故ピエール・トルドー氏の長男。ピエール氏は首相時代の1982年に新憲法を制定し、イギリスから完全に独立した国としてのカナダを作り上げました。また、フランス語圏のケベック州で独立への気運が高まった際も、フランス系のピエール氏はケベック独立運動には厳しい姿勢で対応し、同時にフランス語を英語同様にカナダの公用語として認めるという絶妙な政治バランスを披露しています。 43歳という若さでカナダの首相となるジャスティン・トルドー氏ですが、アメリカのケネディ大統領も同じ年齢で大統領に就任しています。ケネディ大統領やケネディ・ファミリーは過去にいくつものスキャンダルでアメリカメディアを賑わせましたが、トルドー家の家庭問題もカナダ・メディアにとって格好のターゲットとなりました。子供のプライバシーを守りたいというピエール氏の思いから、ジャスティン氏と彼の兄弟は、モントリオールの親戚宅に預けられ、フランス語圏で教育を受けています。 トルドー氏の母マーガレットさんは2010年に上梓した自叙伝「チェンジング・マイ・マインド」の中で、70年代には夫のピエール氏との夫婦関係が冷え切ったものとなり、故テッド・ケネディ氏やローリング・ストーンズのロニー・ウッド氏、ミック・ジャガー氏らと関係を持ったことを告白しています。ピエール氏とマーガレットさんは1984年に離婚しています。