優勝した関浩哉は賞金目録を持ち記念撮影に応じる（撮影・柴田隆二）

＜桐生ボート：ヤングダービー＞◇PG1◇最終日◇23日 　関浩哉の執念が実った。スタートはコンマ02。ただ、簡単には勝たせてくれない。1Mでまくり差してきた同期川原祐明がバックで横に迫った。1Mで動揺したと振り返った関は、同期の猛襲で冷静になった。2Mで川原を先に回し、ブイ際を鋭く差し返して逆転。「もっとしっかり勝ちたかったので、今のところはホッとしている気持ちが大きい」。初の地元G1制覇を静かにかみしめていた。 　卒業イヤーのVは記録ずくめだった。前身の新鋭王座を通じて、この大会最多5度目の優出で2度の優勝。史上3人目、改称後は初の快挙だ。記録以上に鮮烈な印象を残した。 　3連休ラストの地元P・G1ファイナル。水面に聞こえてきたファンの大歓声に勇気づけられた。「いろいろな感情が込み上げてきます。ここで大きな大会の経験がなくて…。こんなにお客さんが来てくれるのがすごくうれしい。他の場ではあまり思わなかった」。声をからして応援してくれるファンと喜びを分かち合う優勝。6年前とは、ひと味違った。 　この優勝で賞金ランクは13位へ浮上。暮れのグランプリ（GP）出場へ大きく前進した。「だいぶ余裕ができた。GPを経験することが、もう少しで達成できそう」。今年は関のBBCトーナメント制覇に始まり、毒島誠と土屋智則が今年のSGを制覇した。賞金ランク上位に3人が名を連ねる群馬支部。その次世代ホープが、艇界の頂点へ突き進む。