シートが燃えるように熱いメルセデス、原因は何なのか? ハミルトン「ノーパンでサウナに腰掛けたみたいだよ!」
メルセデスは、F1イタリアGPの初日を終えてドライバーからクレームが出たことを受けて、シートの熱問題への対応に取り組んでいる。 【動画】アントネッリ、F1公式セッションデビューも痛恨のクラッシュ|F1イタリアGP FP1 FP1でアンドレア・キミ・アントネッリを起用、そしてアントネッリの2025年レギュラードライバー昇格発表と、今週末は何かと話題をさらっているメルセデスだが、走行初日にはシートのオーバーヒートが問題となっていた。 そのためメルセデスは金曜夜、通常のセットアップ作業に加えてこの問題への対処にも取り組んでおり、様々なテストをしていたようだ。 ルイス・ハミルトンはFP2の後、「マシンの中はあり得ないくらい灼熱だった」と表現しており、「正確には(理由が)分からないけど、ラジエターの下あたりから熱気が漏れているのだろう」と話していた。 「そう、とにかく暑かったんだ」とハミルトンは続ける。 「何も履かずに(地肌で直接)サウナに腰掛けているような、そんな痛みだったよ!』 motorsport.comの調べによると、メルセデスはこの問題について、エネルギー回生システムの温度上昇によって発生した熱がコックピットまで浸透している可能性があると考えているという。モンツァでの暑さがパワーユニットに熱を持たせ、結果としてコックピットのあらゆるエリアが劇的に温まっているかもしれないということだ。 一方でもうひとつ考えられるのが、限りなく低い車高で走るグラウンドエフェクトカーをモンツァでどのように走らせるか……つまり車高設定が関係しているという説だ。 モンツァは縁石が低く平らになっていることから、他のサーキットよりもフロアやプランク(スキッドブロック)が路面に擦れて損傷するリスクが少ない。そのため各チームは、ピークのダウンフォースを発生させるために、限りなく車高を下げようとする傾向にある。ただし、フロアが地面に擦れるほど車高を下げることは長いストレートを持つモンツァでは直線でのパフォーマンス面でマイナスになるという側面もあるため、そこはダウンフォース量とトレードオフの関係にあると言えるが……。 ともかく、FP1ではハミルトンのマシンがアスカリシケインで他の誰よりも火花を上げている様子が確認されている。こういった摩擦が多く発生するマシンの場合、ストレートの短い他のコースよりも遥かに多くの熱がコックピットまで伝わってくることになる。この場合、車高をわずかにでも上げることで、直線パフォーマンスの問題と熱問題の両方を軽減することができるだろう。 コックピットの異様な暑さを訴えたハミルトンだが、彼は現在F1が検討を進めているコックピットの簡易空調システムには否定的であり、高い報酬をもらっているドライバーは暑さに耐えるべきだと主張している。
Alex Kalinauckas