スウィング作りに有効な「骨盤や股関節のシャドースウィング」。意識しないでただ動かすだけでは意味がない?【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯57】
一昨年の全米女子アマを制し、23年12月のプロテストで合格した馬場咲希プロを、中学1年から指導しているのがプロコーチの坂詰和久(さかづめかずひさ)、通称『わきゅう』だ。坂詰コーチと20年以上の付き合いがあるベテラン編集者Oが、謎キャラコーチの気になる話を聞き出す。今回は「骨盤は意識して動かす」がテーマだ。
骨盤の動きは反復練習で身につける
O編 オーソドックスなスウィングを身につけたかったら、骨盤の動かし方を覚える必要があるということだったよね。 そのためには、前傾した状態で、上半身を動かさずに骨盤を前傾後傾させる運動と、上半身を動かさずに骨盤を回旋させる運動ができるようになってほしいと。 坂詰 そうですね。たとえば、アドレスでは、骨盤を前傾させて構えなさいとか、腰を反らせずに構えなさいと言われますよね。でも、上半身を動かさずに骨盤を前傾、後傾させる運動ができないと、そういう構えは作れないんです。 スウィングにしても、前傾を保てとか、頭を上下動させるなとか、腰をスウェイさせるなとか言われるでしょ? でも、上半身を動かさずに骨盤を回旋させられないと、前傾角度は崩れるし、頭も腰も動いてしまうんですよ。
O編 だから、まずは上半身を動かさずに骨盤を傾斜、回旋させる動きを身につける必要があるんだね。 坂詰 もちろん、ゴルフは楽しければいい、多少精度は落ちてもいい、個性的な動きであっても気にしないという人であれば、そういう努力はしなくていいと思いますが。 O編 それが嫌で、オーソドックスな動きを身につけたいのであれば、骨盤を傾斜させる動き、回旋させる動きは必須ということだね。 坂詰 そういうことです。 O編 で、上半身を動かさずに、骨盤を動かせるようになったら、そのあとはどんな練習をすればいいの? 坂詰 後はもう、正しい骨盤の動きを意識しながら、ひたすら素振りとシャドースウィングをするんです。 O編 反復練習で身につけていくんだね。 坂詰 あ、注意してほしいのは、ただたくさんやればいいってもんじゃないってことなんです。 O編 どういう意味? 坂詰 よく、「体が覚えるまで反復練習しなさい」なんて言うでしょ? でもね、何も意識せず、いくら素振りを繰り返しても、筋肉は何も覚えないんです。やっぱり、覚えるのは脳ですからね。 O編 脳が覚えるように素振りをしなさいってこと? 坂詰 そういうことです。骨盤の動きを覚えるのであれば、シャドースウィングをするときにも、素振りをするときにも、骨盤の動きを意識しながらやってほしいんです。 今までスウェイしていた人であれば、骨盤がスライドしないようにその場で回旋させる。体が起き上がって前傾が崩れてしまう人であれば、アドレスで骨盤をしっかりと前傾させ、その前傾角を変えないように骨盤を回旋させる。そうやって、動きを意識しながらやるから、脳がその動きを覚えていくわけです。 O編 なるほど。せっかくたくさん練習しても、動きを意識しながらやらないと、意味がないということだね。 坂詰 基本的に、骨盤の動きを意識しながら球を打つのって、プロでも難しいんですよ。 だから、まずはクラブを持たず、前傾した状態で骨盤を傾斜させたり、回旋させたりして、骨盤が動く体を作る。それができたら、自然に動けるようになるまで、素振りやシャドースウィングでその精度を上げていくんです。
【関連記事】
- スウィングの形より先に意識したい! 正しい股関節・骨盤の動かし方とは?【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯56】
- 打ち方やスウィングの形より「体の使い方」のほうが大事!? 効率よくパワーを生み出すための"ダウンスウィング"の順番【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯55】
- 脚の動きと腰の回転は職場でマスターできる!? シーズン直前はキャスター付きの椅子を使った"フットワークドリル"に取り組もう【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話♯52】
- https://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17680466
- 短時間で効果抜群! 1日3分のシャドースウィングがスコアを縮める【謎キャラコーチ『わきゅう』の気になる話 ♯49】