写真のモデル「カンバ」は調整可能なストラップとヒールパーツを採用したトングタイプ。ほかにメッシュをアッパーに使ったスライドタイプの「バワカ」も展開される。1万6280円／リグ × ノンネイティブ

ファッションブランドが時代の空気感を大切にするとしたら、アウトドアブランドというのはまず人の命を第一に守らなくてはなりません。 ▶︎すべての写真を見る スポーツ全般はもちろん、山や海など過酷な自然の中でも耐えうるために、次元が違う素材や縫製の研究を続け、技術の進化も早い。アウトドアブランドにはいつも多くの発見があります。 定期的にアウトドアブランド専門のショップに足を運んで勉強するようにしていますが、数年前そこで出合ったのが「リグ」のサンダルでした。 ただのスポーツサンダルではなく”リカバリーサンダル”といって、スポーツや登山、トレイルランニング、トライアスロンなど、運動後の足腰のストレスを軽減し、疲労の回復を促すための靴。 リグのものはさまざまなアスリートの意見を取り入れ、何度もテストを繰り返し、同時に日本人の足の形に合うよう綿密に設計されています。 試しに買って履いてみたところ、クッション性のあるフットベッドに足がぴったり収まってホールド感が心地良く、ソールのグリップ力も強いので歩いても疲れない。なんなら軽く走れるほど。 これはすごい！このリカバリーサンダルを日常でも履ける靴にしたい！と、思い切って連絡したところ意気投合し、昨年コラボが実現しました。 2019年に誕生したばかりでまだあまり知られていないブランドですが、その真剣な取り組み方には頭が下がるばかり。細かい部分まで相談しながら作っていくプロセスは本当に楽しく、昨年作った2型を今年はさらにアップデートさせてみました。 バックルをつけたり素材を替えたりと機能的にも進化させ、トープとグレーという夏らしい淡い色使いに。アウトドアブランドとファッションブランドの幸福な出合いができたと思っています。 藤井隆行●東京を代表するブランド、ノンネイティブのデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。「6月はイタリア、フランス、イギリスとヨーロッパを巡りました。いいインスピレーションを受けて、自身のモノ作りに活かしたいです」。 竹内一将（Ye）＝写真　町田あゆみ＝文