双日グループ ベトナム最大級の牛肉加工場 肥育から販売まで一貫体制構築
双日グループのJapan Vietnam Livestock社(以下JVL)は、ベトナム・ビンフック省タムダオ地区で同国最大級となる食肉加工工場の稼働を開始した。高度に衛生管理された環境下で牛肉の冷蔵加工を行うベトナム初の工場で、将来的には年間約1万トンの牛肉製品の出荷を目指す。25年3月には工場隣接地で最大1万頭を肥育する農場の稼働も予定。肥育から加工・販売まで、ベトナム産牛肉の一貫体制を構築する。 ベトナムの食肉市場は豚、鶏の消費が多く、牛肉の年間消費量は約50万tにとどまり、その多くは常温で加工・輸送され、伝統的な市場で販売されている。今後の人口増加と所得水準向上による牛肉の消費量増加や、経済成長に伴う消費の多様化により、冷蔵で衛生管理された良質な国産牛肉の需要拡大が予想されている。 双日は21年にベトナム最大手の乳業メーカー・ビナミルグループと合弁でJVLを設立。ベトナム産牛肉のテスト販売を進めてきた。新たに稼働した「タムダオ食肉加工場」は年間の食肉処理能力約3万頭、加工能力1万トンを誇る最新鋭の工場。生産した牛肉製品は双日がベトナムで展開する4温度帯対応の物流センターなどを適切に管理・配送され、双日グループの業務用食品卸最大手ダイタンビエット社の得意先である現地の中高級ホテルや飲食店での販売も予定している。