松本城電子チケット 入場待ち時間短縮に効果あり 長野県松本市
長野県松本市が国宝松本城で導入した電子チケット(入場券)で、最大3時間だった待ち時間が短縮される効果が出ている。お盆休み期間(11~16日)に6229人が利用し、黒門近くの券売所で並ぶ時間が最大60分から5分と大幅に短くなった。天守に登るための列は最大約1000人から約600人に減っており、観光客の負担軽減につながったようだ。 電子チケットは7月末に導入し、個人を対象に「日時指定」と「日時指定なし」の2種類を販売している。お盆休みの利用率は日平均22%で、「日時指定あり」は連日ほぼ完売した。 日時指定をすると天守に登るための待ち時間がなくなる。その一方で「日時指定なし」と従来の紙チケット観覧者の待ち時間は20分ほど増加した。ただ、券売所での待ち時間が短くなったため、トータルで40分ほど短くなった。臥雲義尚市長は20日の定例記者会見で「当初見込んだ効果が得られた」と述べた。 電子チケットは松本城のホームページ(HP)や国内外のオンライン旅行会社のHPから購入できる。登録したメールアドレスに送られたQRコードを、券売所付近の読み取り機にかざして入場する。外国人観光客の利用率が1・8%と低く、今後の周知方法が課題だ。 松本城管理課の松岡由香課長は「将来的な紙チケットの廃止を視野に入れ、紙チケットより観覧料が安くするよう料金区分を設定し、電子チケットへの誘導を図っていきたい」と話している。 ◇ 松本市は20日、来年度に検討している松本城観覧料の引き上げについて、現在700円の大人の料金を1000~1500円の範囲で設定することを市議会経済文教委員協議会に示し、承認された。松本城整備事業に必要な財源を確保するため、観覧者1人当たりで必要な額を算出した。国宝旧開智学校校舎の11月の再開館に合わせ、共通券も導入する。
市民タイムス