【シンザン記念展望】あえて牡馬相手に挑むマイエレメントと実績上位マイネルチケットが主力を形成
[GⅢシンザン記念=2025年1月13日(月曜)中京競馬場、芝1600メートル(3歳)] 最近の中央競馬ではGⅠ開催日に「JRAウルトラメモリアル ○○カップ」としてそのGⅠの過去の優勝馬名を冠したレースが行われているが、レギュラーで過去の名馬の名前がついたレースは、今のJRAに3つしかない。皐月賞トライアルの弥生賞ディープインパクト記念、菊花賞トライアルのセントライト記念、そして今週末に行われる3歳マイル重賞のシンザン記念だ。 ただ、過去10年の優勝馬で牡牝3冠レースを制したのは1頭(2018年アーモンドアイ)のみ。路線整備の進んだ昨今は、クラシックというよりもマイル志向の強い馬の出走が多く、日本競馬史上2頭目の3冠馬の名を冠したレースとしては違和感(物足りなさ?)のある結果が続いているが…。過去には前出アーモンドアイやジェンティルドンナといった牝馬3冠馬、ダービー馬タニノギムレットを出しているレースから、今年は久々に大物誕生となるか。 マイエレメント(牝・福永)は大きく出遅れた前走・アルテミスSで5着に敗れたものの、最速上がりとなる32秒8の脚で猛追。先行有利の展開の中で非凡な資質の一端を示した。前出の過去の名牝同様、トリッキーなコース(中山芝8ハロン)での牝馬限定戦フェアリーSではなく、牡馬相手のこちらを選択したあたりにも厩舎の期待度が見て取れる。 重賞実績ではマイネルチケット(牡・宮)が最上位。サウジアラビアRC=0秒2差3着→京王杯2歳S=0秒1差2着とタイトルまであと一歩の競馬が続いている。中京マイルは新馬Vを決めた舞台。得意の左回りマイル戦で重賞初制覇を狙う。鞍上・戸崎圭は勝てばアーモンドアイ以来のシンザン記念制覇だ。 小倉2歳S3着馬アーリントンロウ(牡・松下)は距離克服が大きなテーマ。新潟芝7ハロンの未勝利戦をレコード勝ちしているようにスピードは確かなだけに、マイル対応にメドが立てばこの路線で要注目の一頭となろう。 タイセイカレント(牡・矢作)は朝日杯FSで15着と大敗したものの、サウジアラビアRCで2着の実績がある。新馬Vの舞台に戻れば見直しが必要だ。新たにコンビを組む武豊の手綱さばきにも注目したい。 ベゴニア賞4着レーヴブリリアント(牡・田中博)、秋明菊賞5着アクルクス(牡・池添)、ききょうS4着メイショウツヨキ(牡・飯田)なども昇級2戦目で変わってきそうだが、これなら新馬・未勝利を勝ち上がったばかりの組にも食指が動く。次位を0秒4上回る上がり33秒3の切れ味が光った関東馬カラヴァジェスティ(牡・奥村武)、中京で3→1着の牝馬ラージギャラリー(牝・高橋亮)、初の芝で新境地を開きたい外国産馬ゴールデンカイト(牡・中内田)、10月京都の新馬勝ちが鮮烈だったリラエンブレム(牡・武幸)といった素質馬が一気の重賞制覇で今年の主役に躍り出るか。
東スポ競馬編集部