<リオパラ五輪速報>走り幅跳びで山本が銀メダル!
リオデジャイロ・パラリンピック、男子陸上走り幅跳びのT42(片大腿切断など機能障害)の決勝が、日本時間の17日から18日にかけて現地で行われ、日本の山本篤(34、スズキ浜松AC)が銀メダルを獲得した。 競技には8人が出場、それぞれが6本づつの跳躍を行い、ベストの記録を争うもので、6m72の世界記録を持ち、ロンドン大会、100mの金メダリスト、ハインリッヒ・ポポフ(33、ドイツ)が、1本目に6m70の大会記録を更新する大ジャンプで、いきなりトップに躍り出た。 もう一人のライバル、ダニエル・ヨーゲンセン(23、デンマーク)も1本目に6m36で2位につけた。2人を追うことになった山本は、1本目はファウル。2本目も助走のタイミングが合わずに踏み切り板を外してファウルに終わる。3本目でようやく踏み切りがアジャストして6m47を跳び3位に浮上した。一方、ヨーゲンセンは2本目に6m50.3本目に6m57と記録を伸ばす。 山本は、4本目で場内に手拍子を求めてテンションをあげる。跳躍後にガッツポーズ。自己ベストに並ぶ6m62の大ジャンプでヨーゲンセンを抜き2位に浮上した。 5本目も手拍子をリクエストして集中したが、6m50と記録を伸ばすことはできず、最後の跳躍となった6本目も、6m57に終わり悲願のパラリンピックでの金メダルはならなかった。 5センチ差につけていた3位のヨーゲンセンの6本目は6m57で山本の銀メダルが確定した。 2大会ぶりの銀メダルを獲得した山本は、日の丸をまとって場内をウイニングラン 山本は、掛川西高時代にバレーボール部に所属、垂直跳びは1mを超えていた。だが、高2の春にバイク事故で大腿部から左足を失い、その後、陸上競技を始めてアテネ大会は出場権を奪えなかったが、北京大会では、100mで5位に入賞、走り幅跳びで銀メダルを獲得、日本パラリンピック陸上界初の「義足アスリート」としてメダリストとなった。その後、大阪体育大の大学院体育学博士課に進んで、運動力学の視点から研究を進め、自ら義肢装具士の資格を持つ義足を改良しながら日本記録を更新し続けた。 走り幅跳びでは、義足を回して体重を移動、体を斜めに倒すような独特の跳び方で、世界選手権を連覇。今年5月には、6m56の世界記録を打ち立てたが、直後に、その記録をヨーゲンセンに破られ、さらにポポフが、世界記録を6m72まで更新。それでも山本は自己記録をアジア記録となる6m62にまで伸ばしてリオ大会に乗り込んでいた。 日本選手団の中で世界選手権を連覇している山本は、金メダルが期待されるアスリートの一人だったが、その山本も銀メダルに終わったことで、ロンドン大会の「5」個の倍となる「10」個を目標に掲げていた日本の金メダル獲得は「0」に終わる可能性が強くなってきた。