天皇陛下60歳 変化の時代「国民の話を直接聞く機会大切にしたい」
「もう還暦ではなく、まだ還暦」という思い
近年は各地で地震や豪雨などの自然災害が相次いだり、スマートフォンの普及やAI(人工知能)技術開発が予想以上に進んだり、「平成の初期と比べても人々の生活環境は異なってきている」と指摘した。その上で、「このような変化の激しい時代にあって、社会の変化や時代の移り変わりに応じた形で、それに対応した務めを考え、行動していくことは大切なことであり、その時代の皇室の役割でもある」との考えを示された。そのために「多くの人々と触れ合い、直接話を聞く機会を大切にしていきたい」と述べられた。 陛下は60歳となり、還暦を迎えられるが、「もう還暦ではなく、まだ還暦という思いでいる」と力強く語った。今年は東京五輪・パラリンピックの年だが、特に若い世代に向けて、「世界の人々への理解を深め、平和の尊さを感じて欲しい」「(世界の来日客らとの)交流を通じ、世界の多様性に対する理解を深め、国際的な視野を広げる機会になることを願う」と期待された。 いま日本でも感染が拡大している新型コロナウイルスについても言及し、「罹患した方々とご家族にお見舞いを申し上げる。感染の拡大ができるだけ早期に収まることを願っている」と述べられた。