電動化へと舵を切ったロータス! ピュアスポーツは登場する? アジアパシフィック地区CEOにロータスの今後を直撃した!!
日本のファンはライトウエイトスポーツの登場を期待しているが?
──今回ここにあるエメヤが近々日本へ導入されるようですが、日本においてエメヤがどのようなものになるか、差し支えない範囲内で教えていただけますか? バーマー:我々はエメヤを「ハイパーGT」と呼んでおりますが、リムジンのように十分な室内空間を提供できますし、日本においては4ドアセダンが非常に強いセグメントでもあるので、日本市場に大いに期待をもっています。 SUVは世界中どこでも近年非常に人気がありますが、日本では同時にセダンもまだまだ人気があるので、エメヤのようにフルサイズの、非常に豪華で広いスペースがあり、と同時にちょっと尖ったところがある、それはやはり走行性能、ダイナミクスですね。運転していただければお分かりになると思いますが、ドライバー中心の、走りが楽しめるクルマです。 ──現行ラインアップはひと昔前のモデルと比べ、先進的になる一方、大きく重くなったというのが率直な印象ですが、それでもやはりロータス車のコアバリューは走りである、という点に変わりはないのでしょうか? バーマー:そうですね。我々としてはやはり、ドライビングが重要であると考えています。どのロータス車でもそうですが、ドライビング、ダイナミクスがもっとも重要だと考えています。そして、すべての設計において、ドライビングとダイナミクスを中心に据えています。 ジーリーも、傘下にある自動車メーカーのプラットフォームを共有させることなく、ロータス独自のプラットフォームをゼロから開発することを許可してくれましたので、我々の空力、ドライビング、ダイナミクス中心の哲学を、独自のプラットフォームで実践できていると考えています。 ハイパーカーでエアロダイナミクスを導入することもそうですし、技術に関しても最近のお客さまはスマートフォンと同様に非常に高いレベルの技術を求めていますので、我々としてはそれに応えていかなければならないという義務もあると考え、最先端の技術を導入しています。 ──昨今はBEVの販売競争が激化し、BEVの新モデルの開発・発売やBEVへのラインアップ一本化を撤回する自動車メーカーが出てきていますが、エミーラが最後の内燃機関搭載モデルとなる方針に変わりはないのでしょうか? バーマー:各国の法規制もありますし、全体の市場環境も変わってきていることを意識したうえで、ロータスが今後どのような方針を採るかは、ある程度の柔軟性をもって考えています。 とくにエミーラに関しては、まだローンチして間もないので、長年提供していく考えをもっていますが、今後5~10年後にどうなるかについては、まわりの変化に応じて柔軟に進めていく考えをもっています。 ──日本のロータスファンは走りを重視するというお話がありましたが、そうしたユーザーからは、かつてのセブンやエリーゼのような、軽量コンパクトでシンプル、レーシーなスポーツカーを期待されていると思われます。今後そういった、エミーラよりもさらにピュアなスポーツカーを開発・販売する計画はあるのでしょうか? バーマー:スポーツカーを開発する計画はありますが、その前に2年後、エレトレよりも小型のSUVを登場させる予定があり、スポーツカーはその後となります。ただ、その新しいスポーツカーの定義、車格、価格などはまったく決まっていません。 しかし、セブンやエリーゼのように小型軽量なスポーツカーだけでは、事業を継続できないことだけは確かです。それを考慮したうえで、次期スポーツカーを開発したいと考えています。 ──今後のロータスブランドが目指す方向性は、ドライビングとダイナミクスを核としたフルラインアップメーカーになることでしょうか? それとも、まったく異なるものでしょうか? バーマー:やはり先頭に立つのは高性能なスポーツカーやスーパーカーですね。今後フルラインアップメーカーになるかといえばそうではなく、我々はファミリカー、日常的に使える合理性のあるクルマを作ることに関心はありません。創業者のコーリン・チャップマンが重要視していた走行性能、ダイナミクスを常に提供できるクルマのみ作ることを考えています。 ──今後の展開に期待しています。ありがとうございました!
遠藤正賢