北斗七星からたどる「春の大曲線」 周辺の星をつなげたら見えてくる物語
心臓を持つ犬
うしかい座とつながった絵が描かれているりょうけん座ですが、ここには三等星「コル・カロリ」が輝いています。少しでも街明かりが少ないところに行けば、見つかるはずです。 コル・カロリは「チャールズ王の心臓」という意味があり、古い星座絵には王冠をかぶせたハートが描かれたものが多くあります。一説によるとイングランドのチャールズ王は専制政治を行い、議会と対立してピューリタン革命で1649年に処刑されましたが、1660年に再び始まった王政復古のときに、彼を讃えて名づけられたそうです。 さて、このコル・カロリは肉眼では1つの星にしか見えませんが、望遠鏡で見ると2つの星からなる二重星です。大きさも色味もちがうこの二重星はとても美しいペアとなっています。目だった星はありませんが、りょうけん座の「コル・カロリ」を覚えておいてください。
夜空で星座をつくる星と惑星の見分け方
夜空を眺めたとき、月はすぐわかりますが、そのほかの輝く星は全て同じに見えませんか? でも、星はよく見ると色や明るさ、輝き方が違います。特に惑星は、輝き方が違って見えるのです。惑星は、自分の力で光っておらず、太陽の光に照らされて光って見えます。月と同じですね。 星座をつくる星たちは、自分の力で輝く星。太陽と同じ「恒星」といいます。この違いを地上から見ると、星座をつくる星はキラキラと瞬いて輝いていますが、惑星は瞬いていません。じーっと明るく輝いています。 今の時期、宵の空高いところにひときわ明るく輝く木星があります。ぜひ、その木星とその周りにある星を見比べてみてください。これであなたも惑星と星座をつくる星を区別できるはずです。 さて、次回は春の大曲線を描いた2つ目の星。そこに輝く、お誕生日の星座をご紹介します。 (葛飾区郷土と天文の博物館・湯澤真実)