【独自解説】「排水溝に捨てた具材を食べされられた」「『交通費と時間を返せ』と土下座を強要」…深刻化する“カスハラ”、60代以上が約半数 日本カスハラ協会理事が提言「お客様は“神様”から“お互い様”」
また、あるラーメン店では、2023年にラーメンに100本以上のつまようじやコショウ1瓶分を入れられる被害が相次ぎ、このお店は閉店し、新店舗を立ち上げました。店側は被害届を提出したということです。新店舗を立ち上げることになった「中華そば いち」の瀧江真一社長は、「(電話で)『こんな店潰れちまえ。もう殺すぞ』とか、いろいろなことを言ってきた」と話しています。
「罵倒」や「土下座の強要」だけでなく、殴られ首を絞められたことも…迷惑行為を受けた人の約9割が心身に何らかの不調 改めて考える「カスハラ」の線引き
様々な「カスハラ」の例です。飲食店で、客に静かにするようにお願いすると、「帰れってこと?金払って来てやってる客だけど」などと“罵倒される”ということがあったといいます。 (酒井氏) 「普通のお客さんはこういうことはしませんよね。お金払っているから何でもやっていいとはならないと思いますので、『節度ある態度を』となります」 スーパーマーケットでは、鍋の具材を購入した客から返金要求があり、家に伺うと「具材に問題はないか食べてみろ」と強要され、排水溝に捨てられた具材を食べされられたそうです。 (酒井氏) 「このあたりになると、犯罪に近いと思いますので、スーパー側は正しくお断りする必要があると思います。“お客様”を“お客様”として認識するかどうかが重要になってきます。顧客として対応するか、決裂する前提で当たるのかを考えて組織が対応することが重要だと思います」 さらに、衣料品店では、返品に来た客が「交通費と時間を返せ」と強要し、土下座をさせ、撮影した上にSNSに投稿までしたということです。また、鉄道会社では、駅構内で放尿をしている客に注意をしたところ、顔を殴られ、首を絞められたということです。 (酒井氏) 「厚生労働省などが、企業がどのように従業員を守っていって、どんなガイドラインでカスタマーハラスメントを認識していくかの議論を進めています」
行き過ぎた「カスハラ」は犯罪です。机を暴力的にたたき、大声で要求する行為は「威力業務妨害」で3年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。「土下座をしろ!」と過度な謝罪要求は「強要罪」で3年以下の懲役。「悪評を流すぞ・誠意を見せろ」は「恐喝罪」で10年以下の懲役となります。たとえ店側に不手際があったとしても、これらのことをすると罪に問われます。 厚生労働省によると2022年までの10年間で、精神被害による労災が89人うち自殺や自殺未遂が29人となっています。迷惑行為を受けた人の約9割が心身に何らかの不調をきたしているということです。 Q.精神疾患になる人は多いのですか? (酒井氏) 「頭痛がするとか、会社に行きたくないなどの細かいものも含めて、就労環境を害するような状況が生まれてきていることが、実例としてたくさん出てきていると思います」
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