【バレー】京都橘高 エース平野は「人生でいちばんくらい緊張」 重圧を乗り越え北嵯峨高にストレート勝ち【春高2025京都府予選(女子)】
令和6年度全日本バレーボール高等学校選手権大会京都府予選会は、11月16日(土)に島津アリーナ京都で決勝が行われた。女子は京都橘高が4年連続27回目の本戦出場を決めた 【春高出場校一覧と予選最終日一覧】
セッター川岸を軸に立体的な攻撃を披露
コートの外に打球が弾むと、川岸夕紗キャプテンとエース平野佐奈が力強く抱き合った。下級生時から主力でプレーする3年生が多い北嵯峨高が優勢、とも言われてきた1年。前週の準決勝(対福知山淑徳高)ではエースとしてチームを引っ張れなかった平野は、大一番でチームトップの19得点。最高学年として背負う重圧は、下級生時からレギュラーを務めたこれまでとはまったく違った。 「逆境のなかで自分は何をしたらいいか、今日の試合までずっと考えていました。人生でいちばんっていうぐらい、(春高)本戦よりも緊張していて。あまり苦労とかは言えないですけど、今までの自分の気持ちや苦労を考えたら涙が止まらなかったです」 その平野を中心に、今シーズンこだわってきたサーブレシーブから攻撃を展開。2年連続で全国高校選抜を経験したセッター川岸キャプテンがスパイカー陣を生かす。なかでも、三輪欣之監督が「相手のエース(甲斐心美)に当てる方針で」と跳躍力を買われて起用された1年生ミドルブロッカー足立めいがスパイクで14得点。平野は前衛だけでなく、バックアタックでも「どんな状況でも4枚攻撃をやろうと言ってきたからこそ、自分にトスが上がってくると信じていました。みんなの思いに応えないと」と高い決定率を残した。第1、第2セットともにリードを許さず優勝に王手をかけた。
第3セットはいきなり4連続失点を喫し、1-6とこの試合初めてのビハインド。それでも、近畿大会、インターハイなど何度も逆転勝ちした経験が生きた。 「落ち着いて、と言ったら、みんな『わかっている』というアイコンタクトだったり、表情があったので。大丈夫や、って、落ち着いてできていたと思います」(平野) 横井彩椛のスパイクで11-11と追いつくと、足立のブロックや途中出場のルーキー久嶋歌乃の連続得点などで突き放した。高い修正力を見せ、ストレート勝ちでオレンジコートへの挑戦権をつかんだ。 今季は東九州龍谷高(大分)に敗れ、ベスト8だったインターハイが最高成績。指揮官は「力負けというよりは、こちらが最後にへばって負けてしまった」と振り返る。それでも、年明けの春高は1月5日(日)~7日(火)に1回戦から準々決勝まで、そこから中3日で準決勝、決勝が行われる日程。「今回はちょっと間が取れるので、まずは最初の3日間でしっかり頑張りきれたら」と前半戦に全力を注ぐ。そうすれば、川岸キャプテンが「まずは今年のインターハイの成績を越えたい。センターコートで試合して、日本一を目指して頑張りたい」と語る目標も見えてくる。
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