【独占インタビュー】ロバーツ監督が目撃、大谷翔平が「花開く」瞬間...「彼はロボットではなくチームメイト」
1番打者に向いていた?
──パフォーマンスにいい影響を与えているようだ。少なくとも悪い影響はない。集中力や精神的な鋭さが並外れている? 並外れている。人間は誰でも、人生で起きる出来事にそれぞれ異なる反応を示すものだ。でも、彼は野球とそれ以外のことをきちんと区別できる。その能力に驚かされる。まるで超能力のようだ。偉大なアスリートの中には、そういう能力を持つ人もいる。彼にとって野球は解放される場所であり、ひとたび野球場に立てば、もう無敵だ。 さらに、彼は優勝争いや、そこに向かう8月、9月を経験したことがなかった。それができるというのは彼にとって非常にエキサイティングなことであり、ドジャースと契約した大きな理由でもある。 ──今季は投手としての出場がない。それは打撃に専念できるという意味で、大谷の打撃成績を上げるのにプラスになっているだろうか。彼は投打ともに、とても素晴らしいが。 とても素晴らしいね。(いい変化は)いくつかあるだろう。ストライクゾーンへの対応が向上して、四球の数が増えている。そういった点はかなりよくなって、攻撃面では充実したシーズンを送っている。本人も打撃に集中できることがプラスになっていると言っている。 来シーズンに投手に復帰しても、打者として学んだことや上達したことは失われないはずだし、そう願っている。今シーズンに打者として見せてくれたのと同じくらいのものを投手として見せてくれるだろう。 ──クーパーズタウンの野球殿堂博物館で(今年7月に殿堂入りした名監督の)ジム・リーランドと話をしたときに、彼は大谷について特に注目している点として、優雅な動きとスピードを挙げた。 あれほどフィジカルが強く体が大きくて、手足が長いのに、俊敏で、質量と強さとスピードとパワーを兼ね備えていることに驚かされる。非常にユニークだ。決定的な要素はボディーコントロールだろう。素早くパワフルに動けるが、常に調和が取れている。体のポジションがいつも適切なんだ。手足があれほど早く動くのにコントロールすることは、普通は難しい。間違いなく難しい。 ──ムーキー・ベッツが負傷した際、大谷が代わりにリードオフマン(1番打者)となってこれほどの数字を達成すると想像していたか。 あの時点で彼は上向きだった。ストライクゾーンへの対応がよくなっていた。それでも、その後の彼がリードオフマンとして成し遂げたことは、当時は想像できなかった。だから、ムーキーが復帰したら2番に置き、1番は翔平のままがいいだろうと思っている(このインタビューの後に復帰したベッツは、2番を打ち続けている)。